北陸新幹線の延伸ルートの議論で、国土交通省が与党に示した費用対効果(B/C)の大まかな計算根拠が分かった。国交省が与党の国会議員の一部に示した資料を朝日新聞が入手して分析した。
この計算を踏まえ、与党は小浜・京都ルート(桂川案)で計画を進めると決めた。だが、計算の過程では、小浜・京都ルート以外の案に費用がふくらむ前提が置かれ、不利な結果が導かれていた。複数の識者から「不適切」との声が出ている。
B/Cで起きた「逆転」
北陸新幹線の敦賀―新大阪間について、自民党と日本維新の会による与党整備委員会は昨年12月から、8ルートを候補として議論。国交省は今年6月、全ルートのB/Cを示した。北陸新幹線の計画をめぐるB/Cを国が示したのは10年ぶりだった。
B/Cは1を超えると、効果が費用を上回ったことになり、着工へのゴーサインのひとつとされる。
敦賀―新大阪間のみを対象にした「個別評価」では、自民が推していた小浜・京都ルート(桂川案)のB/Cは0.5で、上から4番目。維新が推していた米原ルート(一部直通案)の0.7を下回った。
費用と効果の内訳
国交省は詳細を公表していないが、与党議員に示された説明資料によると、桂川案は総費用が1兆9200億円で、効果(総便益)は1兆200億円。米原の一部直通案は費用が1兆2300億円で、効果は8800億円としていた。
一方、今回の計算では、すでに一部の案について費用が膨らむ前提が置かれていたという。このような前提の置き方について、複数の識者が「不適切」と指摘している。



