法学者が指摘「失われた30年」より深刻な日本社会の4つの機能不全
法学者が指摘「失われた30年」より深刻な機能不全

明治大学名誉教授で法学者の瀬木比呂志氏は、日本社会の閉塞感の原因について、経済停滞以上に深刻な問題として、経営、政治、行政、司法などあらゆる側面での制度やシステムの改革の遅れを指摘し、その背景には日本人の「個」の弱さがあると述べている。

経済停滞は根本的な問題の一つの現れ

瀬木氏によれば、バブル経済崩壊以来30年以上続く経済の停滞が強調されることが多いが、これはより根本的な人と社会の問題の一つの現れにすぎないという。現在の日本では、政治、行政、司法、ジャーナリズムなどのチェック機構、大学などの研究・教育機関が十分に機能していないと指摘する。

さらに、どの分野をとっても、若いころに比べて進歩・洗練されたとはいえず、むしろ劣化を示すか、その兆候が現れている例が多いと述べている。世界全体が発展途上国を中心に進歩している中で、日本の進歩が相対的に限られていれば、過大評価はできないとしている。

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最高裁の右傾化と官僚化

典型例として最高裁判所を挙げ、1970年ごろに始まった官僚化、保守化、右傾化の傾向が1980年代にほぼ完了し、2000年代後半以降は政治権力との距離も縮まり、裁判や司法行政が政府の意向に沿う傾向が顕著になっていると指摘する。

最高裁右傾化の最初の中心人物であった石田和外長官(任期1969~1973年)は、後に「日本会議」の前身の一つ「元号法制化実現国民会議」を結成し初代議長となった。また、三好達長官(任期1995~1997年)は後に「日本会議」会長などを務めた。瀬木氏は、退職後とはいえ元最高裁長官が思想的・政治的党派色の強い団体の長に就くことの適切さに疑問を呈している。

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