ZDF、マスク氏の「移民狩り」報道を誤りと認め削除
ドイツの公共放送ZDFが、世界初の「兆万長者(トリリオネア)」となった米実業家イーロン・マスク氏が「移民狩り」を呼び掛けたと報じたが、マスク氏から「ひどい嘘だ」と反論され、法的措置の意向が示された。ZDFは該当箇所を削除し、表現が「不正確であり、誤解を招きかねないものだった」と認めた。
発端となった報道
ZDFは英領北アイルランドの中心都市ベルファストで発生した反移民暴動に関する報道の中で、マスク氏が北アイルランドに関するSNS投稿を通じて「移民狩り」を呼び掛けたと報じた。しかし、マスク氏は15日、この描写を「ひどい嘘だ」と反論し、ZDFに対して法的措置を講じる意向を表明した。
ZDFの対応
ZDFはまずオンライン版に但し書きを追加し、表現が「不正確であり、誤解を招きかねないものだった」と認めた。その後、マスク氏の代理人弁護士から名誉毀損行為を直ちにやめるよう求める通告書を受け取ったとして、該当箇所を完全に削除した。
ワイデル氏の反応
この論争に加わる形で、ドイツの極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」のアリス・ワイデル共同党首は16日、X(旧ツイッター)にマスク氏を支持する内容を投稿。「名誉毀損が不問に付されるべきではない。彼らの逃げ得を許してはならない」と述べた。
背景にある出来事
ベルファストでは、スーダン出身の難民の男が市民1人を刃物で複数回刺して重傷を負わせる事件の動画がSNSで拡散。これを受け、2夜連続で抗議デモが行われ、参加者の一部が暴徒化した。
マスク氏はXで、極右活動家トミー・ロビンソン氏(本名スティーブン・ヤクスリーレノン氏)による英国全土での反移民デモを呼び掛ける投稿をリポストし、「変化を起こすには、繰り返し、そして大きな声で抗議するしかない!!」とコメント。さらに、英国の強硬右派新党「リストア・ブリテン」のルパート・ロウ党首による「何百万もの」人々を英国から退去させるよう呼び掛ける反移民投稿も拡散した。
マスク氏は近年、AfDを公然と支持するほか、欧州の他の極右政党についても支持姿勢を見せている。



