2028年米大統領選の有力な民主党候補と目されるカリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事は16日、自身と妻、側近に対する司法省の捜査について、ドナルド・トランプ大統領の指示ではなく過去の内部告発によるものだとする司法省筋の情報に強く反論した。ニューサム氏は、自身はトランプ氏の「命令」によって標的にされていると改めて主張した。
ニューサム氏の非難と司法省の反論
ニューサム氏は15日、共和党のトランプ大統領が「私怨での復讐」として、自身と妻のジェニファー・シーベル・ニューサム氏に対する司法省の捜査を開始したと非難していた。これに対し、司法省関係筋は匿名を条件にAFPに対し、ニューサム氏の主張は事実ではないと断言。一連の捜査は司法省本部ではなく、内部告発者からの情報に基づき、約1年前にサクラメントを拠点とするカリフォルニア州東部地区連邦地検が開始したものだと説明した。
捜査の焦点は、ドキュメンタリー映画監督であるジェニファー氏が関わる「税務活動」や、ニューサム氏の元首席補佐官らが関連する活動にあるという。後者には現職の補佐官が関与している可能性もあるとされる。ニューサム氏の元首席補佐官ダナ・ウィリアムソン被告は今年5月、ニューサム氏の下で働く前の職務に起因する銀行詐欺や電信詐欺などの重罪について有罪を認めている。
ニューサム氏の猛反発
ニューサム氏は16日のプレスリリースで、「匿名」の情報筋が論点をずらして話を複雑にしていると激しく非難した。「きのうの匿名のプレスリリースで、司法省が『端緒となった』という言葉を、意図的かつ一貫して使用している点に注目してほしい」と指摘。さらに、「ドナルド・トランプの下で、司法省はどれほど容疑が薄弱であっても(例えば、米連邦準備制度理事会のジェローム・パウエル『前議長』への捜査を見れば一目瞭然だ)、それを(トランプ氏が任命した)政治任用者らが大統領の政敵に対して司法制度を武器化するための『口実』として利用する姿勢を示してきた」と付け加えた。
「後付けで罪を探す」
ニューサム氏は15日に公開した動画で、連邦政府の捜査官が自身や妻の友人、仕事関係者らに事情聴取を行ったほか、「長年にわたる書類を手当たり次第に」捜査していると述べた。動画の中でニューサム氏は、「ドナルド・トランプが私を追及するのは、私が意地悪なツイートをしたからではない。私が大統領選への出馬を検討しているからだ」「私を陥れるために、妻を狙っている」と主張。また、トランプ氏が昨年1月にホワイトハウスに復帰して以来、政敵とみなした多数の人物に対する捜査を要求してきたと指摘し、「ドナルド・トランプに逆らえば、誰であろうとその『ヒットリスト(報復対象リスト)』に載ることになっている」と述べた。
ニューサム氏事務所は16日の声明で、トランプ氏が公然とニューサム氏の逮捕を求めてきたことに言及し、トランプ氏の側近たちがボスの願いを叶えるために現実をねじ曲げていると主張。「トランプ氏が任命した政治任用者たちは、ニューサム知事や知事夫人に対する刑事事件の捜査を開始するよう検察官に圧力をかけており、連邦捜査官らは『不正行為』の証拠を血眼になって探している」「トランプの司法省は先に標的を選び、後付けで罪を探し回っている」と非難した。
民主党議員も非難
カリフォルニア州選出のアレックス・パディヤ上院議員(民主党)は、ニューサム氏に対する捜査を強く非難。X(旧ツイッター)への投稿で、「トランプ政権によるニューサム知事への捜査決定は、お決まりのパターンに合致する。この大統領に反対の声を上げ、大統領自身の汚職や失敗の責任を追及すれば、標的にされるということだ」と主張。「国家最高峰の法執行機関が、法を公平に執行する独立した機関ではなく、政治的報復の道具へと貶められていることに、すべての米国民が危機感を抱くべきだ」と述べた。



