高岡市長就任1年、方針転換進むも説明不足に批判 「公約はほぼ実現」自己評価70点
高岡市長就任1年、方針転換進むも説明不足に批判

「チェンジ」を掲げて高岡市長選で初当選した出町譲市長(61)が就任し、12日で1年を迎えた。市政の変化を求める市民の期待に応え、前市長時代からの方針転換を着実に進めた一方で、説明不足などへの反発の声も上がり続けている。

公約実現と自己評価70点

出町市長は10日の記者会見で、「選挙で訴えた公約は、ほぼ全て政策や事業に落とし込めた」と強調。市長専用公用車の廃止、給与4割カット、ゼロ歳児へのおむつ券支給などを成果として挙げ、「市役所が一丸となって、がらっと方向転換した政策がいくつもある。私の評価は70点」と胸を張った。

市幹部の一人は「気さくに市民の声を聞き、よい意味で政治家らしくない普通の人」と評する。初の当初予算編成では、医療や生活支援など福祉分野に重点配分。交通事業者や病院長が参加する会議も設立し、公約実現に着手した。

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「オタヤこども食堂」(御旅屋町)を運営する高沢満里子さん(74)は、「伏木地区など能登半島地震の被災地や地域のイベントにもよく顔を出してくれる。こども食堂が物価高で困っている現状を丁寧に拾い上げ、地道に取り組んでいる」と評価する。

大型事業の突然の方針転換に批判

しかし、積み重ねた議論や計画を根回しなく突然変える手法には反発も生じている。象徴的なのが、最大の「チェンジ」である大型事業だ。

今年5月、出町市長は竹平記念体育館(早川)のサブアリーナ整備計画を撤回し、高岡スポーツコア(二塚)で凍結されていた総合体育館建設計画を進めると表明した。新計画では2031年度にメインアリーナを先行整備し、竹平記念体育館の耐用年数が迫る43年度頃にサブなどを整備する。

これに対し、説明不足との批判が上がった。特にサブアリーナ計画は、市内のスポーツ団体関係者や有識者らによる検討会議が2023~24年度に議論して出した提言に基づいていた。市議会最大会派の同志会は、「プロスポーツや全国規模の大会には、メインとサブの両アリーナが必要」と訴える。同会所属の曽田康司議長は「事前に議会への説明もない。コミュニケーション不足だ」と苦言を呈する。

市内のスポーツ団体幹部も懸念を示す。「『市長選で4万3223票を取った』と言い、もう市民の声は聞いたとばかりの態度。意見を異にする市民に対し、聞く耳を持たないのでは」と指摘する。

市民が求める真の「チェンジ」

市民らが求める「チェンジ」は、前市長の否定そのものではなく、生活向上の実感だ。同市和田の40歳代の男性会社員は、「前市長時代からの方針転換ばかりが目立ち、他に何をしているかわからない。市民に近い市長らしく、子育て支援などでも大きな変化を起こして」と注文を付ける。

10日の記者会見で「反対意見にどう向き合うか」と問われた出町市長は、「説得することが大切。決定のぎりぎりまで努力はしていく」と述べた。

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