茨城県石岡市の戸井田和之市長が、6月の市長選で掲げた「市長公用車廃止」の公約遂行に腐心している。市長車の賃貸借契約解除を目指していたが、市議会で関連議案が否決され、実現が見通せなくなったためだ。戸井田氏は、車の運用方法を改めて職員も使えるようにし、「市長車の実質的廃止」を図るという窮余の策に出る。
前市長時代から続く議会との対立
石岡市では谷島洋司前市長と議会の対立が続き、2度の不信任決議を受けた谷島氏が5月に失職した。6月の市長選には戸井田、谷島両氏ら3人が出馬し、市長車廃止や副市長不任用を公約として掲げた戸井田氏が初当選を果たした。
選挙を経て市長と議会の関係が改善に向かうかどうかが注目されたものの、トップが代わっても不協和音は相変わらず。市議会は9月17日、市長車廃止と副市長不任用に関連する議案を、いずれも賛成2人、反対19人という圧倒的な差で否決した。市長選では、戸井田氏は市議22人のうち少なくとも8人から支援を受けていた。
共有車としての活用と今後の見通し
市長車を巡り、戸井田氏は今月21日の記者会見で、来年8月末にリース期限を迎えるまでの間、職員も使える共有車として活用する考えを示した。戸井田氏は、議員から「残りのリース期間、有効に活用しながら考えていったらどうか」と提案されたことを明らかにした。リース期限後の市長車の扱いについては言及を避け「まず活用状況を見ていく」と述べるにとどめた。
副市長不任用の公約に関しては、議案が否決されたことを受けて再考する可能性を示唆しつつ、「もう少し精査する」と説明した。
反対議員の主張と市長の課題
2つの公約の関連議案に反対した議員たちは、市長車は災害や事故などの際の移動手段として必要だと指摘し、副市長を置かなければ市長の負担が増すと訴えている。根回しが不十分なまま議案を提出し、結果として大差での否決に至った経緯は、前市長時代と同様の苦境を印象づけた。
議会との良好な関係の構築は、戸井田市政の課題として重くのしかかっている。