福岡県議会、蔵内議長の辞職勧告決議案採決を緊急動議で回避 自民の結束にほころび
福岡県議会、蔵内議長の辞職勧告を緊急動議で回避 自民にほころび

福岡県議会の臨時会で、予定されていた蔵内勇夫議長(72)の辞職勧告決議案の採決は、所属会派・自民党県議団が出した緊急動議の可決で見送られた。自民内では蔵内氏の辞任への賛意も公然と上がり、最大会派の結束のほころびがあらわになった。他党も動議の対応が割れるなどし、県議会の混乱は収まりそうにない。

自民執行部の苦渋の決断

「会派をまとめるためにはこういう形をとらざるを得なかった」。自民党県議団の渡辺勝将会長は閉会後、報道陣に対し、自民の林泰輔県議が出した動議に賛成した理由を語った。辞職勧告決議案の採決を回避し、自会派の重鎮・蔵内氏の議長職を「守った」が、渡辺氏や自民県議の顔に笑顔はない。

自民県議の一人は「議長を辞めてほしいと思っているのに、ベテランは何も言わない。会派の危機だ」と嘆いた。県議会は高額な海外出張費や県執行部との関係などで県内外から批判を浴びる。蔵内氏はその「象徴」のように見られ、自民県議は地元で支援者から厳しい声を受けている。

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決議案への対応に混迷

決議案に反対したら批判を受ける――。そんな状況で迎えた決議案への対応に自民は混迷を深めた。意見集約に難航し、臨時会直前まで方針は定まらずにいた。議論段階では、決議案への賛成意見も公然と出た。

17日午前までに更に第2会派の民主県政県議団の一部や公明も賛成に回ることがわかり、自民執行部には決議案可決への危機感が高まった。同日午後、蔵内氏が政治倫理条例の制定にめどがつき次第辞任することを条件に、自民として動議に賛成する方針で何とかまとまった。

造反者と他党の対応

ただ、動議採決では造反者が出た。造反した自民の江藤秀之県議は「これ(動議)を見た時、県民がどう思うか。余計気持ちが離れるのではないか」と、自民執行部の対応を批判した。一方、自民会派だけでは動議の可決の過半数に足りないが、民主の一部議員などが賛成したため、過半数を超えた。

動議に対し、民主は自主投票を決めており、賛成した原中誠志会長は「議会の正常化を果たすのが議長の仕事だ」と述べつつ、「しかるべき時期がきたら、堂々と不信任決議案でも提出したい」と主張した。反対した民主県議は「動議は否決し、辞職勧告を求めるべきだった」と述べ、動議の可決に不満を示した。

議会内の対立が先鋭化

採決見送りに反発する意見も出ている。決議案を提出した吉松源昭県議は「中止の動議による起立採決で、各議員の姿勢は明らかになった」と指摘した。別の会派の県議も「決議案の採決を中止するなんてあり得ない」と語り、議会内の対立はより先鋭化している。

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