日本、英国、イタリアによる次期戦闘機の共同開発事業に、カナダのオブザーバー参加が決まった。4か国の防衛相らは、開発の「新たな段階の開始だ」との共同声明を発表した。参加国を広げることで、開発の加速や輸出の拡大につなげたい考えだ。
第6世代戦闘機の開発状況
次期戦闘機は、世界各国が開発を競う「第6世代」に位置付けられる。高いステルス性や、無人機との連携も想定している。日本は現在、戦闘機300機を保有しており、そのうち「第4世代」のF2戦闘機90機の退役が2035年から始まるため、次期戦闘機を後継に位置付けている。
「機密の塊」とされる戦闘機の共同開発には、精緻さが求められる。開発が進めば、各国との安全保障上の信頼関係が深まるとみられる。
カナダ参加の意義と今後の見通し
日英伊は2024年に国際組織を設立した。先月には三菱重工業など3か国の防衛大手による合弁会社が国際組織と契約し、機体の形状や性能などの設計に着手した。今回、カナダは開発にはかかわらないが、戦闘機の開発状況などの情報を一定程度共有し、機体の購入を検討していくという。
カナダが将来的に購入国になれば、生産機数も増えて利益も上がる。日本の防衛装備品の輸出拡大に結びつけたい。同じ機種の戦闘機を生産、運用できるようになれば、合同訓練や部品調達もしやすくなり、共同対処能力の向上が期待できる。メリットは小さくない。
カナダが今後、開発にも参加した場合、部品の製造などに加わることも想定される。継戦能力を維持するための生産ラインが多角化できる。日英伊はカナダに正式参加を働きかけてはどうか。
国際情勢と開発の課題
米国も次世代の戦闘機の開発を進めているが、トランプ政権は他国との共同開発に消極的だ。同盟国側にも米機の購入をためらう国が出始めているという。日英伊の開発計画に対しては、ドイツやスペイン、オーストラリアなどが関心を示している。
日英伊にとっては輸出先を広げる好機と言えるが、日本の安全保障環境が厳しさを増す中で、2035年からの次期戦闘機の導入に遅れを来すことがあってはならない。一方、参加国が多数に上れば、調整も難しくなり、開発計画に遅れが生じる可能性も出てくる。
関係国と緊密に調整し、部品調達や工程厳守に万全を期すことが不可欠だ。技術開発の進歩は速い。常に最先端の装備を取り入れることにも留意してもらいたい。



