ウクライナの燃料施設攻撃でロシア軍の前線部隊に給油制限、戦車は1回20リットルに ロシアで食料危機の懸念も
ウクライナの燃料施設攻撃でロシア軍の前線部隊に給油制限、戦車は1回20リットルに 食料危機の懸念も

ウクライナのゼレンスキー大統領は、ロシアを燃料危機に追い込み、戦争で優位な立場を築いた。ロシア軍の前線部隊では、車両への給油制限が始まっており、一部の部隊では戦車などへの1回の給油量が20リットルに制限されているという。これまで考えられなかった事態だ。

燃料危機は前線に波及

ロシアの多くの地域でガソリン不足が生じており、7月半ば以降は前線のロシア軍にも影響が及んだ。従来、軍部へのディーゼル燃料は軍が望むだけ優先的に供給されてきたが、軍用車両への給油制限が始まった。

この状況がロシア軍内で広がれば、移動範囲や作戦時間が制限され、作戦遂行能力が大きなダメージを受けるのは必至だ。

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ウクライナの燃料施設攻撃の戦略

2026年3月に始まったウクライナによる原油積み出し港や製油施設へのドローン攻撃は、ロシア最大の外貨獲得源である石油の輸出能力を削ると同時に、ガソリンやディーゼル燃料の不足を引き起こし、侵攻継続能力に打撃を加える戦略だった。国民や経済界の厭戦ムードを誘うことも狙っている。

ロシアの中立的な燃料専門家によると、この間、高品質のガソリンの生産量は65%減少し、ディーゼルは40%減少した(本稿執筆時点)。プーチン政権は有効な対策を打ち出せておらず、地方向けのガソリンなどをモスクワやサンクトペテルブルクなどの大都市部に集中配分することで、大都市での燃料危機を打ち消す苦しいやり繰りを強いられている。

「ロジスティクスのコラプス」への警告

現在の供給不足が今後数か月も続けば、先述の専門家は「物流も含めたロジスティクスのコラプス(崩壊)が起こるだろう」と警告する。

具体的には、収穫用トラクター用のディーゼル燃料不足が決定的になり、農作物収穫が大きな打撃を受けることだ。すでに農業への燃料供給は通常水準の85%程度に落ちており、極東では不足が始まっている。

航空機用のケロシン燃料も不足するため、ロシア内外の航空便が深刻な打撃を受ける可能性がある。物資の遠隔地への物流も影響を受ける。今後の天候次第という面もあるが、ロシアで食料不足が発生する可能性も否定できない。

今秋から年末にかけてのヤマ場

国際法違反の侵攻を続けるロシアに対するウクライナの軍事・外交上の優位性は、ますます明確になってきた。5年目に入っている戦争は、今秋から年末に向けて、大きなヤマ場を迎えそうだ。

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