プーチン氏、北方領土初訪問で「解決済み」強調 交渉拒否の姿勢鮮明に
プーチン氏、北方領土初訪問で「解決済み」強調 交渉拒否の姿勢鮮明に

ロシアのプーチン大統領は13日の北方領土初訪問で、帰属問題は「解決済み」であり、もはや日本との交渉議題ではないとするロシアの立場を改めて鮮明にした。プーチン氏は日本が第二次大戦の終戦の日とする15日の直前に北方領土を訪問することで、「戦勝国」として北方領土を獲得したとするロシアの主張を強調するとともに、日本に返還要求の断念を促す思惑もあるとみられる。

「交渉しない」と宣言か

プーチン氏は2000年の大統領就任当初、北方領土は係争地だとする露政府の従来の見解を踏襲。「平和条約締結後にソ連は日本に色丹島と歯舞群島を引き渡す」と定めた1956年の日ソ共同宣言を尊重し、「引き分け」での問題解決を図る考えも示してきた。2018年には同宣言に基づいて平和条約交渉を加速させることで安倍晋三首相(当時)と合意した。

だが、プーチン氏はその後、米露対立を背景に「引き渡し後の島に米軍基地が置かれない保証がない」と主張し、北方領土について「日本が(ロシアへの)帰属変更を認めることが交渉の前提となる」との持説も展開した。さらにロシアは20年の憲法改正で領土割譲を原則禁止し、22年にはウクライナ侵略を巡る日本の対露制裁を理由に平和条約交渉の中止を表明するなど、一貫して領土問題の解決に消極的な姿勢を強めてきた。

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日本へのメッセージ

こうした中で行われた今回のプーチン氏の北方領土訪問は「今後、領土問題に関して日本とは交渉しない」という明確な宣言に等しい。ロシアは日本が第二次大戦の結果を修正しようとしているとの主張も強めており、日本への「敗戦に伴う領土の帰属変更を受け入れるべきだ」というメッセージともいえる。

日本政府が今年5月に経済産業省職員らをロシアに派遣するなど、対露関係の修復を模索するかのような動きを見せてきたことがプーチン氏の北方領土入りを促した可能性もある。ロシアは日本の動きを「エネルギー輸入などでロシアを頼りとしている表れ」と受け止めており、プーチン氏が北方領土を訪れても日本は強硬な態度に出られないとロシアが判断した可能性は否定できない。

国際情勢の影響

さらに、ウクライナ侵略を巡って顕在化した欧米諸国と非欧米諸国との分断や、イランとの交戦などで米国の国際的威信とアジア太平洋地域への関心が低下したこともプーチン氏の北方領土入りを助長したとも考えられる。ロシアはプーチン氏の北方領土入りが世界の多くの国から批判を招くことはないとみている公算が大きい。

プーチン氏はトランプ米大統領に「米露は第二次大戦の戦勝国として結束すべきだ」と訴えており、ロシアは米国もプーチン氏の行動を強く非難しないと計算しているとみられる。

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