日本が握る世界経済のチョークポイント:先端素材で中国を制す
日本が握る世界経済のチョークポイント:先端素材で中国を制す

国際基督教大学(ICU)教授のスティーブン・R・ナギ氏(政治学・国際関係学)は、日本が世界経済の“チョークポイント”である3つの代替不可能な先端素材生産においてほぼ独占的な地位を築いており、習近平国家主席はその焦りの裏返しとして、日本に対して覇権主義的な野心を剥き出しにしていると指摘する。

「目に見えない先端素材」を日本が支配

スマートフォンやタブレット、高性能なパソコンなどのデバイスは、何千もの極小の部品が組み合わさった「パズル」のようなものだ。もしそのパズルの最も重要なピースを一つの国が独占し、その国がピースを渡すのをやめれば、世界のハイテク産業は瞬時にストップしてしまう。これはSF映画の話ではなく、現代のグローバル経済における現実であり、その現実のど真ん中にいるのが日本である。

近年、中国と西側諸国との間の緊張が高まる中、習近平国家主席はAI、EV、最先端の通信技術などで中国が世界の絶対的なリーダーになるという野望を隠していない。しかし、巨大な経済力と軍事力を持ちながらも、習主席は「手も足も出ない」状態にある。中国が日本やアメリカ、ヨーロッパに対して厳しい経済制裁を科せば、自国の最も重要な産業を壊滅させてしまうからだ。

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「シートベルト」を締める戦略

長い間、世界は「世界の工場」としての中国に大きく依存してきたが、政治的な緊張の高まりとともに、一つの国への完全な依存は危険となった。対立が起きれば、中国が工場のドアを閉めるだけで、世界中が生活必需品すら手に入らなくなるからだ。

一部の政治家は「デカップリング(切り離し)」を主張したが、複雑に絡み合った世界で完全に縁を切ることはほぼ不可能であり、世界経済に大惨事をもたらす。そこで日本、アメリカ、ヨーロッパは「デリスク(リスク低減)」というより賢くバランスの取れたアプローチを採用した。車に乗る時にシートベルトを締めるように、日用品の貿易は中国と続けながらも、最先端のハイテク部品の生産は信頼できる同盟国へと慎重に移していくことで、中国の工場に完全に依存しない強靭なサプライチェーンを築き上げた。

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