国連(UN)の独立調査委員会(COI)は23日、イスラエルがパレスチナ自治区ガザ地区でパレスチナの子どもたちを意図的に標的にし、殺害しているとする報告書を公表した。同委員会は、これが現在も続くガザでの「ジェノサイド(集団殺害)」の主要な要因になっていると非難。イスラエル側は猛反発している。
報告書の主な主張
国連の独立調査委員会は、報告書で「パレスチナの子どもたちがイスラエル治安部隊によって意図的に標的にされ、殺害された証拠」が見つかったと発表した。これにより、「ガザにおけるパレスチナ人という大きな集団を破壊しようとする、イスラエル当局および治安部隊のジェノサイドの意図」が立証される主要な要因になったとしている。
3人の委員からなる調査チームは、昨年9月の報告書で、イスラエルがガザ南部での武力衝突において「ジェノサイド」を犯したと初めて結論づけていたが、イスラエル側はこの認定を拒否していた。チームは、国連を代表して発言する立場にはない。
子どもへの影響
新たに発表された報告書の中で、調査団は、イスラエル軍による激しく組織的な軍事作戦が継続していることで、パレスチナの子どもたちに「前例のない」死傷者や精神的トラウマが生じていると指摘。イスラエル当局と治安部隊がガザで「ジェノサイドの罪を犯し続けている」と結論づける「合理的な根拠」があるとした。
かねてより同委員会を激しく批判してきたイスラエルは、今回の報告書を「中傷的」であり「事実無根の欺瞞だ」と猛烈に批判した。調査団に対し、「イスラエル人の子どもを冷酷に攻撃し、パレスチナ人の子どもを人間の盾として利用しているイスラム組織ハマスの残虐な戦術」を無視していると非難した。
「消し去られた」子ども時代
国連人権理事会によって2021年に設置された同委員会は、最新の報告書において、パレスチナの子どもたちに影響を与えている犯罪や、イスラエルがガザに課した生活環境が「防ぐことのできた子どもの死亡にどのようにつながったか」を検証した。
チームは声明で、「イスラエル当局と治安部隊はパレスチナの子どもたちを意図的に標的にしており、その結果、ガザ地区でのジェノサイド、人道に対する罪、戦争犯罪、およびヨルダン川西岸での戦争犯罪を引き起こしている」と述べた。
委員会は、心身への深刻な被害、集団的トラウマ、孤児化、家族の離散、障害、繰り返される避難、飢餓、そして教育や医療の崩壊により、ガザにおける「子ども時代が消し去られた」と指摘。こうした影響は、同地区の子どもたちの生涯にわたって続くだろうと述べた。
調査委員会の議長を務めるインドのシュリニバサン・ムラリダール元判事は、「子どもを標的にすることで、イスラエルはパレスチナ人が存在し、自らの未来を決定する能力そのものを攻撃している。2025年10月の停戦後も、子どもたちは殺害され、深刻な負傷を負わされ続けている」と指摘した。
「破壊のための戦略」
この報告書が公表される数日前には、国連児童基金(ユニセフ)が、イスラエルとハマスの停戦が発効して以降、ガザでは少なくとも265人の子どもが殺害され、さらに数百人が負傷したと発表している。
イスラエルの公式発表に基づくAFPの集計では、2023年10月7日のハマスによるイスラエルへの越境攻撃の死者は1221人。一方、ハマスが統治するガザ地区の保健省によると、イスラエルによるガザへの報復攻撃では7万2800人以上が死亡している。
国連の調査団は、戦争の最初の2年間に、少なくとも2万179人の子どもが死亡し、4万4143人が「ガザにおける戦闘の直接的な結果として」負傷したと発表。パレスチナの子どもたちを殺害し、身体に障害を負わせることは、「ガザにおけるパレスチナ人の生物学的な継続性と将来の存在を破壊するための戦略の一部だった」と指摘した。
委員会はガザだけでなく、1967年以来イスラエルが占領しているヨルダン川西岸においても、イスラエル人入植者によるパレスチナの子どもたちへの暴力が急増していることを指摘。イスラエルを含むすべての国連加盟国に対し、犯された犯罪の責任を追及するよう強く求めた。



