抗日テーマパークが中国各地に拡大、愛国教育の影響か
抗日テーマパークが中国各地に拡大、愛国教育の影響か

中国各地で、抗日戦争や長征を“体験”する観光施設が人気を集めている。軍服姿で突撃し、日本兵を撃退する没入型アトラクションまで登場した。背景には、習近平政権が進める愛国主義教育がある。

「連隊長」の号令で突撃

山東省臨沂市の観光施設では、「連隊長に従って県城を攻めよ」と題された体験型アトラクションが人気だ。参加者は軍服を着て、土嚢のバリケードを乗り越え、日本軍が支配する街を解放するという筋書きで、1941年の抗日戦争の戦闘を再現している。

参加した21歳の大学生チャオ・ジアシンさんは「まるで戦火の時代にタイムスリップしたようだった」と振り返る。このアトラクションは2024年の国慶節連休にSNSで広まり、中国共産党機関紙『環球時報』英字版によれば、ネットユーザーの間では「中国人に一番向いているコスプレ」と呼ばれている。

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レッドツーリズムの拡大

こうした戦場を模した体験型アトラクションは、中国各地で相次いで生まれている。背中を押しているのが、習近平政権が2024年に施行した愛国主義教育法だ。CNNによれば、同法は観光地に対し、「愛国心を呼び覚ます場所」としての機能を果たすべく整備を求めているという。

施設は抗日をテーマにしたものだけではない。中国は「レッドツーリズム」の一環として、没入型プログラムを各地に仕掛けている。貴州省遵義市の婁山関では、1935年の長征の途上で紅軍が軍閥の部隊を破った古戦場を再現し、体験プログラムが人気を集めている。

長征勝利90周年にあたる2026年、体験プログラムの突撃シーンを収めた動画が「抖音」で数万いいねを集め、ピーク時には毎日数千人が詰めかけたとグローバル・タイムズは伝えている。参加したチェン・ムーヤンさん(30)は「銃は思ったより重かった。その瞬間、一気に雰囲気に飲み込まれた」と語る。

海外メディアも注目

「愛国心を呼び覚ます場所」として利用される体験施設に、海外メディアが注目している。中国国民の87.7%が日本を否定するなど、中国全土で反日感情が高まる中、こうした施設が愛国心を刷り込む役割を果たしていると指摘する声もある。

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