日本とフィリピンの二国間関係は「プラチナ時代」に入ったとされる。しかし、第2次世界大戦の激戦地フィリピンでは約111万人のフィリピン国民が命を落とした。戦後の日比関係を見つめてきたフィリピン大学のリカルド・ホセ名誉教授(歴史学)は、両国の和解の歩みと歴史への関心が薄れつつあるとして警鐘を鳴らす。
「日本人は敵」だった戦後からの転換
ホセ氏の祖父は、第2次世界大戦中のフィリピンで日本軍に殺された。戦時中の日本軍の残酷さを親戚から聞いて育ったが、なかには良い印象を持っていた人もいたという。日本側の視点からも戦争を知りたいと思ったのが、日比関係の研究を始めたきっかけだ。日本に留学し、東京外国語大学で博士号を取得した。
国交正常化70周年を迎えた今、日本とフィリピンの現在の関係の「土台」に改めて目を向けてほしいと語る。戦争でフィリピンの多くの家庭が親族や家、財産を失い、戦後の反日感情は非常に強く、大多数の人は日本人を「敵」と見なし、一切関わりたくないという思いを持っていた。
戦犯裁判と賠償交渉の並行
戦犯裁判と賠償交渉が並行して進められた時期があった。この記事は有料記事であり、続きは有料会員限定で読むことができる。



