インドネシア大規模デモから1年、民主主義の行方と経済停滞
インドネシア大規模デモ1年、民主主義の行方

インドネシアで国会議員への高額な住宅手当支給を発端とした大規模デモから間もなく1年。少なくとも11人が死亡、約6700人が当局に拘束された。背景には通貨安や物価高が進む国内経済の悪化があり、民主主義の後退とも受け取られかねない動きも相次いでいる。

デモの発端と広がり

デモは2025年8月、国会議員に首都圏の最低賃金の約10倍にあたる月額5千万ルピア(約45万円)の住宅手当が支給されていることが明らかになったことをきっかけに発生した。数千人の市民がジャカルタ中心部に集まり抗議した。

鎮圧に向かっていた警察車両にはねられ、バイクタクシー運転手のアファン・クルニアワンさん(当時21)が死亡すると、デモは全土へと広がった。多くの市民はアファンさんの死を「弱い市民が権力の犠牲になった」と解釈し、怒りを増幅させた。アファンさんの両親には、政府から家が提供された。

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経済状況と雇用の悪化

政府の集計では、2025年1~6月に一時解雇された労働者は前年同期比で約32%増の約4万2千人に上る。正規雇用につけないため、スマホのアプリを通じて単発の仕事を請け負う「ギグワーカー」の代表的な仕事がバイクタクシーの運転手だ。

デモは約50都市に広がり、閣僚や国会議員の自宅も襲撃された。政権は軍を動員して鎮圧にあたり、国家人権委員会や非営利団体の発表などによると、当局による鎮圧で11人が死亡し、負傷者は少なくとも約1千人、拘束された市民は約6700人に上った。

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