EU警告:ウクライナ・ポーランド対立はロシアを利するだけ
EU警告:ウクライナ・ポーランド対立はロシアを利する

欧州連合(EU)は23日、第二次世界大戦の歴史認識をめぐって泥沼化しているウクライナと隣国ポーランドの外交的対立について、ロシアを利するだけだと警告した。EUのパウラ・ピーニョ報道官は、「このような状況を喜ぶ傍観者は一国しかいない。それはウクライナを侵略する国(ロシア)だ。彼らの術中にはまってはならない」と述べ、両国に対し速やかな関係改善を促した。

EU報道官の懸念と対話への期待

ピーニョ報道官はさらに、「われわれは現在進行中のポーランド・ウクライナ間の対話を信頼しており、この問題が解決されると確信している」と語り、両国の外交努力に期待感を示した。EUは、この対立がロシアのプロパガンダに利用され、西側諸国の結束を弱めることを懸念している。

ゼレンスキー大統領の復興会議欠席

ウクライナ政府は23日、ウォロディミル・ゼレンスキー大統領がポーランド・グダンスクで今週開催される「ウクライナ復興会議」を欠席すると発表した。この会議は、ロシアの侵攻で被災したウクライナの復興を支援するための国際会議であり、ポーランドが主催する。欠席の理由は明らかにされていないが、両国の緊張関係が背景にあるとみられる。

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UPA命名問題と勲章剥奪の応酬

対立の発端は、ゼレンスキー大統領が先月、第二次大戦時にポーランド人虐殺に関与したウクライナ民族主義組織「ウクライナ蜂起軍(UPA)」にちなみ、ウクライナ軍特殊部隊を「UPAの英雄たち」と命名したことだ。これにポーランドの強硬右派、カロル・ナブロツキ大統領が強く反発し、ゼレンスキー氏に授与されたポーランド最高位の勲章「白鷲勲章」を剥奪した。

これを受けて複数のウクライナ高官が自身がポーランドから授与された勲章を返上する事態に発展している。UPAは1943~1945年、現在のウクライナ北西部ボルイニ州(第二次大戦前はポーランド領)で、ポーランド人民間人数万人を虐殺したとされる。この歴史認識をめぐる感情的な対立が、両国の戦略的パートナーシップに深刻な亀裂を生じさせている。

ポーランドの戦略的重要性とリスク

ポーランドは、侵攻するロシアと戦うウクライナにとって極めて重要な支援国であり、西側諸国からの軍事支援の中継拠点として機能してきた。両国の関係悪化は、武器や弾薬の供給ルートに支障をきたす可能性があり、ウクライナの防衛努力に直接的な打撃となり得る。EUは、この対立がロシアの戦略に利することを強く認識しており、両国に早期の和解を求めている。

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