中国の宇宙開発、スペースXに惨敗―国家主導の限界と民間の力の差
中国宇宙開発、スペースXに惨敗の理由

2026年6月12日、米国の宇宙企業スペースX(SpaceX)がナスダックに上場し、企業価値は約2兆2000億ドル(約360兆円)に達した。一方、中国は国家を挙げた宇宙開発で月の裏側への世界初の着陸や独自の宇宙ステーション「天宮」の運用を実現してきたが、防衛大学校共同研究員の伊藤隆太氏は「中国は宇宙開発の本質を読み違え、民間1社のスペースXに惨敗した」と指摘する。

スペースX上場で明らかになった圧倒的な差

スペースXはIPOで750億ドルを調達し、公開価格ベースの企業価値は1兆7700億ドル、上場初日には2兆2500億ドルを超えた。ロイター通信が報じた。一方、中国は2019年に嫦娥4号で世界初の月裏側着陸、2022年には宇宙ステーション「天宮」の本格運用を開始。しかし、2025年にスペースXはファルコン9ロケットだけで165回の軌道打ち上げを実施し、中国全体の年間打ち上げ回数を大きく上回った。

再使用ロケットで明暗

再使用ロケットの分野でも差は歴然だ。スペースXはファルコン9のブースター回収を500回以上成功させているのに対し、中国の本格試験は回収に失敗。伊藤氏は「回収500回と失敗1回の差は絶望的」と述べる。さらに、スペースXの衛星インターネット「スターリンク」は米SEC資料で中国とロシアを市場推計から外しており、中国は当初から市場の対象外だった。

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国家主導と民間主導の決定的な違い

中国の宇宙開発は国家主導で進められ、国旗を掲げる成果は挙げたが、経済安全保障の要となる通信・輸送網ではスペースXに先を越された。伊藤氏は「中国は宇宙開発の本質を読み違えた」と分析。スペースXは民間企業として、船舶、航空機、軍、企業、災害現場が依存するインフラを構築した。一方、中国は国家の威信をかけた探査に注力したが、実用面で遅れを取った。

日本の選択も問われる

伊藤氏は「日本は誰の衛星網を信頼するのか」と問いかける。スペースXのインフラ依存にはリスクも伴うが、中国の国家主導型開発では競争力が不十分だと指摘する。中国の宇宙開発は今後も続くが、民間企業のスペースXとの差は広がる一方だ。

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