インフレ時代に貯金だけでは資産が目減りするリスク
ファイナンシャルプランナーの谷口達也氏(にぐ先生)は、著書『10歳の子どもには毎週1000円渡しなさい』(飛鳥新社)の中で、インフレ時代における資産防衛の重要性を説いている。同氏は「今の時代、貯金だけで資産を持つのは危ない」と警鐘を鳴らす。
インフレとは物やサービスの価格が上昇することであり、物価が上がればお金の価値は相対的に下がる。日本銀行は「インフレ率2%」を目標に掲げており、2025年末時点でも2%台後半から3%台前半で推移している。このような低金利下では、預貯金の金利がインフレ率に追いつかず、実質的な購買力が低下し続ける。
20年後には1万円の価値が約6700円に
谷口氏の試算によれば、毎年のインフレ率が2%で続いた場合、1万円の実質的価値は1年後には約9800円、10年後には約8200円、そして20年後には約6700円にまで減少する。つまり、長期にわたって現金を保有し続けるだけで、資産は3分の2近くに目減りする可能性がある。
「貯金だけでは、資産が減ることになる可能性がある」と谷口氏は強調する。このような状況を避けるためには、投資を通じてインフレ率を上回るリターンを目指す必要がある。投資とは、将来の利益を期待して金融商品や不動産などにお金を投じる行為であり、簡単に言えば「お金」を価値が増すと期待できる「物」に換えて持つことだ。
株式投資はギャンブルではなく長期で利益を期待
インフレに強い資産として、株式や投資信託が挙げられる。インフレで物価が上がると企業の売上や収益が増えやすく、株価の上昇が期待できるからだ。谷口氏は「株式投資=ギャンブル」という誤解を解き、保有期間が長いほど利益が大きくなる傾向があると指摘する。
特に子どもは大人よりも長い投資期間を確保できるため、時間を味方につけやすい。複利効果を最大限に活用できる点で、早期からの投資教育が有効だ。
こどもNISAの活用が有効な手段に
具体的な投資手法として、谷口氏は「こどもNISA」の活用を推奨する。こどもNISAは未成年者向けの少額投資非課税制度で、投資で得た利益が非課税となるメリットがある。長期的な資産形成の入り口として、親子で取り組みやすい制度だ。
谷口氏は「インフレ時代を生きる子どもたちにとって、投資は特別な知識ではなく必須の教養になる」と述べ、大人自身がお金に対する考え方をアップデートする必要性を訴えている。投資がより身近なものとなる時代が到来しつつある今、早期の金融教育が子どもの将来を守る鍵となる。



