さくらインターネット急回復、GPU事業がフル稼働で黒字転換
さくらインターネット急回復、GPU事業がフル稼働で黒字転換

さくらインターネットが2026年度第1四半期決算で営業黒字に転換し、GPUインフラ事業が急回復した。前年同期は4.5億円の赤字だったが、売上高は前年同期比48.6%増の111.3億円、営業利益は12.3億円となった。通期予想も売上高455億円(前期比28.9%増)、営業利益25億円(前期は4億円の赤字)に引き上げた。

GPUは一転、フル稼働に

復調のきっかけは、2026年2月の大型案件獲得だった。整備を終えたばかりの高性能GPU「B200」約1100基分を、国内の大手企業が2028年3月まで利用する契約を結んだ。さらに4月には国立機関向けに約38億円、5月には国立情報学研究所向けに約25億円の生成AI関連案件を獲得。いずれも2027年3月までの提供が予定されている。

昨年度はGPUの需要減退から営業赤字に転落していたが、相次ぐ大型案件でGPUはほぼフル稼働となった。田中邦裕社長は7月28日、自身のX(旧ツイッター)で「昨年度は、大幅下方修正とGPUが余っているというポストを行いましたが、社員の頑張りとお客様のおかげで、パイプラインもしっかり構築でき、今はすべて稼働中です」と手応えを語った。

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マイクロソフトとの協業が持つ意味

一時は慎重姿勢を見せていたGPUの新規調達についても、260億円を投じ、2027年1月にエヌビディアの次世代GPU「ルービン」を導入する方針を決定した。生成AIブーム以降、エヌビディア製GPUを大量に調達し、研究機関や企業向けにAIの計算資源を提供するGPUインフラ事業を展開しながら、政府や自治体のシステムで利用される「ガバメントクラウド」参入に向けた準備を進めてきた。

AWSやマイクロソフトといった米ハイパースケーラーが圧倒的なシェアを誇る中、国産クラウドの旗手として注目を集めてきたさくらインターネット。GPUの需給が緩む中、B200は「その性能をすぐに必要とする人は限られ、売るのが難しい」(田中社長、2025年10月の決算説明会時)とみられ、さくら関係者からは「首の皮一枚でつながった」との声も上がった。

協業で得られる中長期的な効果

さくらインターネットを取り巻く環境は、足元で大きく好転している。2025年度はGPUの需要減退から営業赤字に転落する苦境に陥ったが、2026年に入ってから大型案件の獲得が相次ぎ、GPUインフラ事業は一気に改善した。7月28日に発表した2026年度第1四半期決算では、同事業が全社業績を大きく押し上げ、通期予想も上方修正した。

縮まらない外資勢との差については、今後の課題として残る。国産クラウドとしての強みを活かしながら、中長期的な効果をどう生み出すかが問われている。

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