2026年7月3日から夏季の青春18きっぷ販売が始まったが、その背景には深刻な利用者離れがある。JR九州への取材で、2025年度の販売枚数が約24万枚に落ち込んだことが判明した。これは、コロナ禍で落ち込んだ2020年度の25万枚をも下回る数字だ。
販売数急減の実態
青春18きっぷは、2015年度から2018年度まで年間約70万枚を販売していた。コロナ禍の2020年度には25万枚に減少したが、2023年度には62万枚まで回復。しかし、2024年度は42万枚、2025年度は24万枚と、2年で62万枚から24万枚へと激減した。
経済ジャーナリストの櫛田泉氏は「JRグループがニーズだと認識しているものと、実際の利用者のニーズとの間に大きな乖離があったことの表れだ」と指摘する。
改悪の内容
利用者離れの最大要因は、2024年冬季販売から適用された利用条件の大幅な変更だ。従来は、春・夏・冬の休暇シーズン中、期間内の任意の5日間、全国のJR普通列車が乗り放題で、価格は1万2050円(1日あたり2410円)。複数人での利用も可能で、例えば2人で2日分を使い、残りを1人で使用できる自由度があった。
変更後は、3日用(1万円)と5日用(1万2050円)に分割され、複数人での共用が不可となり、利用期間も固定されるなど、大幅な制限が加わった。JRは自動改札機対応を理由に挙げているが、櫛田氏は「省力化のみを目的にした改悪」と批判する。
影響と今後の展望
この改悪に対し、利用者からは「従来の制度に戻して」と求める署名が3万筆を超えている。若者の間では鉄道より飛行機を選ぶ傾向も強まっており、櫛田氏は「数十年後の鉄道利用者への先行投資」の観点から、JRの対応を疑問視している。
JRグループは青春18きっぷ自体の廃止も検討しているとの見方があるが、正式な発表はない。現行の夏季青春18きっぷは、3日用1万円で9月6日まで、5日用1万2050円で9月4日まで販売され、利用期間は7月18日から9月8日までとなっている。



