日銀31年ぶり1%利上げ、円安阻止へさらなる引き上げ観測
日銀31年ぶり1%利上げ、円安阻止へさらなる引き上げ観測

6月中旬、日米欧の中央銀行が相次いで金融政策決定会合を開催した。市場予想の範囲内ではあったが、三者三様のスタンスが浮き彫りとなった。本稿では、それぞれの現状を確認した上で、今後の日銀の動きと円相場の行方を展望する。

ECB、2年9カ月ぶり利上げもインフレ圧力は継続

欧州中央銀行(ECB)は6月11日、預金ファシリティ金利を0.25ポイント引き上げ2.25%とした。2023年9月以来、2年9カ月ぶりの利上げである。2月のイラン攻撃以降、利上げ転換は既定路線であり、全会一致での決定だった。ラガルドECB総裁は記者会見で「予防的利上げではなく、エネルギーショックに伴うインフレ圧力への対応」と強調。インフレ圧力が払拭されない限り、利上げ局面は継続する可能性が高い。

ユーロ高基調、米独金利差が支えに

ECBの利上げが一時的な保険ではないとすれば、市場参加者は連続性を伴う措置として構えるべきだ。現時点で、来年4月までのECBの利上げ織り込みは約1.7回(0.25%pt換算)と、FRBの約1.3回を上回る。これがユーロ/ドル相場の支えとなり、米独金利差に沿ったユーロ高が確認できる。

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FRB、タカ派急旋回とは言えずとも利下げ議論は復活せず

FRBは6月会合で政策金利を5.50〜5.75%に据え置いたものの、タカ派的な姿勢を維持。新たなドットチャートでは年内2回の利上げが示唆され、利下げ議論は復活していない。ウォーシュ新議長の情報発信改革も注目される。

日銀、上下双方向の意思決定では円安動かず

日銀は6月会合で政策金利を1.0%に引き上げ、31年ぶりの高水準となった。しかし、市場は「打ち止め感」を意識し、円売りは収まらない。真の実質政策金利は依然として低く、利上げ終着点は1.50〜1.75%との見方が有力だ。イラン合意などの地政学リスク後退も円買い戻しにつながらず、1ドル160円は通過点に過ぎないとの声も聞かれる。

当面、日米欧の金融政策格差が円相場を左右する。日銀の追加利上げと欧米中銀のタカ派姿勢が、円安に歯止めをかける鍵となるだろう。

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