日銀の利上げ、欧米対比でペース争点に 円安阻止へ持続的な金融引き締めが必要
日銀利上げ、欧米対比ペースが争点 円安阻止へ持続的引き締め

日銀の利上げ、欧米対比で「ペース」が争点に

日銀の次回利上げが9月であろうと10月であろうと、今後は利上げの「有無」ではなく、欧米対比での「ペース」が争点となる。過去2年間とは異なる環境に立たされることになるだろう。常に「相手がある話」である為替市場が争点となっている以上、国内の政治・経済・金融情勢を斟酌する余地は徐々に小さくなっていかざるを得ない。

日米欧三極の中央銀行の勢力関係を総括すると、利下げ局面を終えて利上げ局面に「戻ってきた」欧米に対し、日本は未だ逡巡しながらの利上げにしか動けないという構図が際立つ。タカ派度合いという尺度に当てはめた場合、「ECB>日銀≧FRB」というのが本稿執筆時点の勢力関係であり、円安を抑えたい観点からは非常に窮屈な環境である。

イラン合意でも買い戻されない円

本稿執筆時点では、政府高官からイランとの戦闘終結に向けた14項目の覚書全文が明らかにされ、事態終息への機運が高まっている。これに伴い原油価格は顕著に下落し、株価が好感するなど資産価格の修正も進んでいる。為替市場全体でもドルを買い戻すムードが強まっている。

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しかし、円だけは買い戻されていない。2022年以降の実効相場で示されてきた「円だけは要らない」という基本的潮流が続いていると言わざるを得ない。

「中東情勢の安定化に伴って需給の悪化が辛うじて回避される」という朗報と入れ替わるように、「欧米中銀の利上げが再開される」という日本にとっての悪報が意識されている可能性がある。テーマが「需給の円売り」から「金融政策格差で円売り」にシフトしつつあるのだ。

持続的な利上げが円安抑止の王道

毎回同じ結論に至ってしまうが、この期に及んで日本が能動的に円売りを抑止できるとしたら、金融政策における持続的な利上げが王道である。1ドル160円が新しい下限として機能しそうな状況下、170円の声を聞かないためにも、当面の継続的な利上げが要求される。

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