智譜AIの時価総額20兆円超え、上場半年で株価25倍に急騰の背景
智譜AI時価総額20兆円超え、株価25倍に急騰の背景

2026年6月22日、中国のAI開発企業である智譜華章科技(智譜AI)の株価が香港証券取引所で急騰し、取引時間中の最高値は前営業日終値比42%高の2980香港ドル(約6万1390円)に達した。これにより時価総額は1兆香港ドル(約20兆6000億円)を突破。同社は2026年1月8日にIPOを実施し、売り出し価格は116.2香港ドル(約2390円)だったが、上場から約5カ月半で株価は一時25倍超となった。

株価急騰の二大要因

今回の株価急騰の背景には主に二つの要因がある。第一に、智譜AIが6月13日に最新の大規模言語モデル「GLM-5.2」をリリースしたことだ。同モデルは「ロングホライズン・タスク」(長時間または長期間を要する複雑で多段階のタスク)向けに開発され、100万トークンを処理可能なコンテキストウィンドウを実現。智譜AIによれば、そのプログラミング能力は米アンソロピックの「クロード・オーパス4.8」に匹敵するという。

さらに、AIプログラミング能力の評価プラットフォーム「Code Arena」でGLM-5.2が世界第2位にランクインしたことが報じられ、投資家の注目を集めた。第二位とはいえ、後述する理由で実質的に利用可能な最高性能のモデルとなった。

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競合モデルの提供停止が追い風

第二の要因は、GLM-5.2のリリース前日である6月12日、米アンソロピックが米政府の指示により最新AIモデル「クロード・フェイブル5」の提供を一時停止したことだ。Code Arenaで世界首位だったクロード・フェイブル5が使えなくなったため、GLM-5.2がソフトウェア開発者が実際に利用可能な世界最高性能のAIとなった。なお、クロード・フェイブル5は米政府の規制解除により7月1日に提供が再開されている。

オープン型モデルの優位性

智譜AIは清華大学の研究室からスピンオフした企業で、CEOは張鵬氏。同社のGLMシリーズはオープン型モデルであり、誰でも無料で入手し検証・改良・再配布が可能。対照的に、OpenAIのChatGPTやアンソロピックのクロードはクローズ型である。GLM-5.2はリリース時点で、華為技術(ファーウェイ)、中科寒武紀科技(カンブリコン)、摩爾線程智能科技(ムーアスレッド)など国産AI半導体への最適化も完了しており、中国市場での優位性を強めている。

株価への影響と時価総額の比較

これらの材料を受け、智譜AIの株価はGLM-5.2リリース後の最初の営業日(6月15日)に33%上昇。6月17日にGLM-5.2がオープン化されると、翌18日にかけてさらに42%上昇した。時価総額は1兆香港ドルを超え、小米(シャオミ)や美団(メイトゥアン)を上回る規模となった。

過熱感と競合の状況

しかし、一部のアナリストは「イメージ先行」の側面を指摘する。競合のMiniMaxは最高値から半値以下に下落しており、AI株全体に過熱感がある。智譜AIの株価が実力を反映したものか、今後の動向が注目される。

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