トヨタの水素エンジン開発、商用車で実用化へ
トヨタ水素エンジン商用車で実用化へ

トヨタ自動車は、水素を燃料とするエンジンの商用車への実用化を加速している。2026年までに小型トラックでの量産開始を目指し、カーボンニュートラル社会の実現に向けた新たな動力源として位置づける。

水素エンジンの開発背景

トヨタはこれまで燃料電池車(FCV)「MIRAI」などで水素の活用を進めてきたが、水素エンジンは既存の内燃機関技術を応用できるため、コスト面で優位性がある。同社は「水素エンジンは、カーボンニュートラル燃料の一つとして、多様な選択肢を提供する」と説明する。

2021年には、水素エンジンを搭載したカローラスポーツをスーパー耐久シリーズに投入し、レース環境での技術検証を重ねてきた。これにより、出力や耐久性の向上、燃焼技術の最適化を進めている。

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商用車への展開

商用車分野では、小型トラックを皮切りに、2026年までの量産開始を目標とする。水素エンジンは、ディーゼルエンジンと比べてCO2排出量を大幅に削減できる一方、航続距離や燃料補給時間の面で優位性を持つ。

トヨタの担当者は「商用車は走行距離が長く、燃料補給の頻度が低いことが求められる。水素エンジンはこれらの要件を満たす有力な選択肢だ」と語る。

インフラ整備と課題

水素エンジンの普及には、水素ステーションの整備が不可欠だ。現在、日本国内の水素ステーションは約160カ所にとどまっており、商用車の運行エリアをカバーするには不十分である。トヨタは、政府やエネルギー企業と連携し、インフラ整備を促進する方針だ。

また、水素の製造コストも課題の一つ。現在、水素は化石燃料から製造されることが多く、製造過程でCO2を排出する。トヨタは、再生可能エネルギー由来の「グリーン水素」の普及を視野に入れ、コスト低減に取り組む。

競合他社の動向

競合他社も水素エンジンの開発を進めている。いすゞ自動車は、2025年までに水素エンジン搭載の大型トラックを市場投入する計画を発表。日野自動車も、水素エンジンの研究開発を加速している。

一方、中国や欧州のメーカーは、バッテリーEVへのシフトを優先しており、水素エンジンの開発は限定的だ。トヨタは、水素エンジンが「全方位戦略」の一環として、多様な市場ニーズに応えると主張する。

カーボンニュートラルへの貢献

トヨタは、2030年までにグローバルでの新車販売の50%以上を電動車両とする目標を掲げている。水素エンジンは、この目標達成に貢献する技術の一つとして位置づけられる。

同社は「水素エンジンは、内燃機関の技術を活かしながら、カーボンニュートラルを実現する現実的な選択肢だ。商用車から乗用車への展開も視野に入れている」とコメントしている。

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