全国200店舗以上を展開するそばチェーン「ゆで太郎」は、店内で製麺し、その日のうちに使い切るというこだわりを持つ。また、ダシの取り方も他のチェーンとは一線を画す。池田智昭社長は「工場製麺ではなく、店内の製麺機で打った麺をその日のうちに使い切っている。また、ダシの取り方も、他のそばチェーンと比べて一風変わっている」と語る。
セントラルキッチンは効率がいい?
「ゆで太郎は、店内で製麺し、天ぷらも揚げていますが、もっと効率化した方がいいのではありませんか」と外食産業の関係者から聞かれることがある。池田社長は「そもそも、効率化の定義が違うんです」と答える。
多くのチェーン店では、セントラルキッチンや工場で一括製造し、各店舗へ配送している。大量生産で品質も均一になり、店舗では温めたり盛り付けたりするだけなので人件費も抑えられる。しかし、輸送コストや鮮度管理を含めると、そこまで効率的ではないと同社は考える。
一方、店内で製麺し、その場で茹で、天ぷらを揚げるのは手間がかかるが、提供する品質は確実に上がる。
店内製麺のほうがメリットだらけ
チェーン店でありながら、飲食店として美味しいものを提供したいという矜持を持つ。出来合いを温めただけのものと、店内で製麺し揚げたての天ぷらをのせたものでは、美味しさが違う。
品質の面では、このやり方の方がむしろ効率的で、麺は店で作ると原価が一括製造のおよそ半分になる。品質が上がり、原価が下がるのが自社製麺の強みだ。
製麺機はそば用だが、今はラーメン屋さんが多く使っている。製麺機メーカーの一番のお得意先がラーメン屋になるほどで、自店で製麺することが売りになる時代だ。オリジナルのスープと麺で個性を出し、それが集客につながる。買うより自分で作る方が安く、宣伝にもなる。
「20分ダシ取り」→「5分ダシパック」に
ゆで太郎は、ダシの取り方も独自だ。通常のそばチェーンでは20分かかるダシ取りを、5分で取れる「ダシパック」を開発。品質と効率を両立した画期的な仕組みで、北海道から九州まで同じ味を貫く。
「江戸切りそば」に込めた思いと、「やっぱり、うちの方が美味しいな」という自負が、22年連続黒字を支えている。



