帝国データバンクが発表した調査結果によると、2026年9月の飲食料品の値上げは4923品目となり、今年最多となった。値上げ1回あたりの平均値上げ率は月平均11%となる。
単月の値上げ品目数は今年最多、過去4番目の多さ
この9月の値上げ品目数は、2025年9月の1467品目から約3倍に増加した。単月で4000品目を超えたのは2025年4月の4225品目以来、1年5カ月ぶりで、2023年4月の5404品目に次ぐ過去4番目の多さとなった。中東情勢の悪化による原油・ナフサ高に加え、人件費や物流費、円安などの影響が、値上げ品目数を大幅に押し上げた。
調味料と加工食品が中心、酒類や乳製品も拡大
食品分野別では、「調味料」が最も多く1959品目。マヨネーズやドレッシング類、しょうゆ、つゆ製品、食酢類など幅広いジャンルが対象となった。次いで「加工食品」が1848品目で、冷凍食品のほか、チルド食品、すり身製品などが中心となった。加工食品単独で1000品目を超えたのは3カ月連続で、値上げラッシュが本格化した2023年2月~4月以来、約3年半ぶりとなる。
「酒類・飲料」は466品目で、炭酸飲料などの清涼飲料水をはじめ、焼酎など一部のアルコール製品も対象となった。「乳製品」は278品目で前年同月から倍増し、「菓子」も272品目と引き続き高水準で推移した。
2026年の累計は1万9083品目、年間2万品目超えが確実
2026年の飲食料品値上げ品目数の累計は、1月~11月までの判明分で1万9083品目となった。2年連続で年間2万品目を超えることが確実となり、前年の2万609品目を上回るとみられる。
10月以降では、10月の値上げ品目数が3033品目となり、単月で3000品目を超える見通し。4カ月連続で単月2000品目を超えるのは2022年6月~10月以来、4年ぶりとなる。2カ月連続で単月3000品目を超えるのは、2023年6月~7月以来、約3年ぶりとなる。
年間の値上げ品目数を食品分野別にみると、「加工食品」が最も多く6775品目。冷凍食品やパック米飯などが中心で、前年の実績値4791品目を約4割上回った。「菓子」は1336品目、「原材料」は624品目となり、いずれも前年の値上げ品目数累計を上回った。
値上げ要因は「原材料高」が90.7%、中東情勢の影響も27.8%
値上げ要因では、「原材料高」の影響を受けた値上げが90.7%を占め、全要因のなかで最も高くなった。一方で、3月以降は低下傾向で推移している。
電気代などの「エネルギー」は65.1%となり、上昇傾向に転じた。2025年8月の調査時以来、1年ぶりに65%台となった。また、中東発の国際情勢の混乱による影響が要因となった値上げは27.8%となり、全体の約3割を占めた。
今秋がピーク、原油高や円安などで今後も続く見通し
2026年の飲食料品の値上げには、中東情勢の悪化による原油供給の混乱が大きく影響している。原油価格の上昇により、インクや食品フィルム、トレー類など石油由来の資材にも値上がりが波及し、「中東発インフレ」ともいえる状況が広がっているという。
2022年~2023年には、ロシアによるウクライナ侵攻を背景とした小麦などの穀物価格やエネルギー価格の上昇が、食品価格を押し上げた。今回はこうした外部環境によるインフレに加え、人件費や物流費の上昇も重なっており、前年を上回るペースで値上げが続く要因となっている。
一方、一部の外食チェーンやコンビニでは、客数の確保を目的に価格を引き下げる動きもみられる。ただ、食品メーカーを取り巻く原材料費や人件費、物流費などの負担は依然として大きく、値上げをしてもコスト増を十分に補えていないケースもある。
今後については、中東情勢の緊張が続けば原油価格が高い水準で推移する可能性があるほか、円安による輸入コストの上昇も懸念される。さらに、異常気象による農水産品や畜産品の不作・生育不良も、食品価格に影響する可能性がある。
こうした状況から、食品メーカーによる幅広い値下げが進む可能性は低いとみられている。2026年後半も値上げは途切れずに続くとみられ、年間の値上げ品目数は前年並みの2万品目台となり、前年の累計を上回る見通しとなっている。



