千葉県船橋市で現在建設中の「プレミストタワー船橋」が、最上階の価格が7億円を超える超高級タワーマンションとして注目を集めている。しかし、地元住民からは「ムサコ化(武蔵小山のような高級住宅地化)」への不安の声も上がっている。
西武百貨店跡地にそびえる新たなランドマーク
「あそこ(プレミストタワー船橋)は、以前は西武百貨店(西武船橋店)があったんですよ。それが数年前(2018年)になくなってね。地元の人間からするとちょっと寂しいよね。そのすぐ後くらい(2023年)に西武百貨店の跡地のすぐ隣に大和ハウスの東関東支社ができて、同時期にタワマンの工事も始まったの。あれよあれよという間にすごいことになってるよね」と、地元の店主はタオルで顔をあおぎながら語った。
店主は続けて、「西武百貨店まわりの再開発で、駅のまわりの景観が様変わりすると思う。なるべく船橋らしい変化であってほしいよね」と懸念を表明した。
歴史に寄り添うデザイン
こうした懸念に対して、提供側も配慮を見せている。プレミストタワー船橋のデザインは、地元の歴史を踏まえて計画されている。建物の頭頂部は、地元にある「船橋大神宮(船橋市宮本5-2-1)」の「灯明台」がモチーフになっている。かつて船橋沿岸を航行する船は、船橋大神宮の境内にあった常夜灯を目印にしていたが、戊辰戦争で社殿とともに焼失。明治13年に現在の灯明台が再建された。マンションが街を照らす灯台のようなイメージだという。
また、外観に大きなグラデーションを施すことで、かつて船橋から江戸河岸へ行き来した「五大力船(ごだいりきせん)」の帆を表現している。船橋の歴史や文化にかなり寄り添ったデザインとなっている。
地元住民の本音
「船橋大神宮を船橋のアイコンとして挙げる地元住民は多い」と、ライターの末並俊司氏は指摘する。京成船橋駅から南に少し歩くと本町通りにぶつかり、左折してさらに歩くと大神宮にたどり着く。この地域は、タワマン建設によって新たな人口流入が予想されるが、地元住民からは「ムサコ化」への不安も聞かれる。
「正直不動産」の関係者は、「船橋はもともと住みやすい街として知られているが、高級タワマンの出現で地価や物価が上昇し、従来の住民が住みづらくなる可能性がある」と指摘する。一方で、再開発による駅周辺の活性化や、新しい住民の流入による経済効果も期待される。
今後の展望
プレミストタワー船橋は、千葉県最高層のタワーマンションとして、船橋の新たなシンボルとなることが期待されている。しかし、地元の歴史や文化を尊重した開発が進む一方で、住民の生活への影響も注視する必要がある。開発側は「船橋らしい変化」を目指しており、今後の動向が注目される。



