台湾の株式市場は2026年上半期、AI産業の勢いを背景に世界でも際立った上昇を続けている。富邦証券投資顧問の会長である陳奕光氏は7月2日の「2026年富邦財経トレンドフォーラム」で、上半期の株式市場を「強気相場が『灰色のサイ(潜在リスク)』に遭遇した」と表現した。
世界市場を上回るパフォーマンス
2026年上半期はアメリカ・イラン戦争や主要中央銀行の利上げ志向、市場の流動性低下などのマイナス要因があったものの、AI産業の勢いは衰えなかった。その結果、世界の株式市場は5月までに年初から9.8%上昇し、金や債券市場をも上回った。
陳氏によると、今年に入ってから台湾の上場・店頭上場企業のうち株価が2倍に上昇した企業は168社に達した。さらに株価が1000台湾ドル(約5000円)を超える「千元株」が相次いで誕生し、信用取引によるレバレッジも大幅に拡大したことで、台湾株式市場は世界でも突出した上昇を続けている。
下半期の見通しとリスク
下半期には伝統的な需要期に入ることに加え、AI関連の新製品投入が相次ぎ、さらに11月の統一地方選挙に向けた選挙相場も本格化すると見られている。富邦証券投資顧問は、第4四半期の台湾加権指数が上半期の高値を更新し、5万4500ポイントに達すると予測している。
しかし陳氏は2つのリスクに注意を促す。第一に、調整があれば需給要因による投げ売りの連鎖が発生する可能性がある。第二に、市場は国内投資家主導へと移行しており、海外資金の動向にも注視が必要だ。
富邦金融ホールディングスの羅瑋チーフエコノミストは、アメリカとイランが段階的な合意に達し、60日以内に交渉を通じて最終合意を目指すことで一致していると説明。8月末までに最終合意がまとまれば紛争は終結に向かい、「世界経済と国際金融市場にとって間違いなく前向きな好材料となる」と述べた。一方で、交渉過程では双方の主張が対立したり衝突が再燃したりする可能性もあるため、市場は引き続き警戒を怠るべきではないと注意を呼びかけている。
投資家が注目すべきポイント
AI実需を背景にした上昇基調は続くものの、地政学リスクや需給バランスの変化に注意が必要だ。特に信用取引の拡大によるレバレッジの高まりは、調整局面でのリスクを増幅させる可能性がある。投資家は短期的な値動きに惑わされず、長期的な視点でポートフォリオを構築することが求められる。



