NTTと三菱マテリアルは6月3日、使用済みIT機器や通信設備の再生材活用を拡大し、資源循環を推進する新会社「NTTサーキュラスト」を7月1日に共同設立すると発表した。新会社は、使用済みIT機器や通信設備の回収・再資源化から再生材の製造・販売、特性情報(由来や環境負荷など)の伝達までを一貫して担う。
新会社の事業内容
NTTサーキュラストの事業は、以下の2つに大別される。
- 再生材の特性情報をサプライチェーン全体で伝達する仕組みの構築・提供
- 使用済みIT機器や通信設備を回収・再資源化した再生材の製造・販売
情報伝達の仕組みは、将来的に他社の再生材も含む業界横断の共通プラットフォームに拡大する方針で、製品メーカーが再生材の利用状況を説明しやすい環境を整える。また、使用済み機器を排出する企業に対しては、自社機器の再資源化の状況や環境貢献をフィードバックする。
背景と課題
背景には、リサイクルの「中身」が見えにくいという課題がある。使用済みIT機器や通信設備は金などの金属資源を多く含み、回収やリサイクル自体はこれまでも進んできた。しかし、再生材の出どころや環境負荷といった情報を各工程でうまく受け渡せておらず、製品メーカーは自社製品の再生材利用状況や環境貢献を詳細に十分説明できない現状があると、NTTと三菱マテリアルは指摘する。
再生材活用への需要は政策面でも強まっており、政府が2026年4月に公表した「循環経済行動計画」では、30年時点で国内生産する金の約3割を再生資源由来とする目標を掲げている。
役割分担と資本構成
NTTはデータ流通やトレーサビリティ技術を用いて事業設計と情報伝達の仕組みづくりを担当。三菱マテリアルは、世界最大級と位置付ける自社のE-Scrap(電子基板など電子機器由来のリサイクル原料)処理能力を生かし、再資源化と再生材の製造・供給を担う。NTTサーキュラストの資本金は7億5000万円(資本準備金7億5000万円を含め計15億円)。出資比率はNTTが66.6%、三菱マテリアルが33.4%。社長には木下茂樹氏が就任する予定。



