国土交通省が発表した2025年の地価公示(1月1日時点)によると、関東圏(東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県、茨城県、栃木県、群馬県、山梨県)の商業地の上昇率トップは、JR総武線の新小岩駅(東京都葛飾区)周辺で、前年比9.8%上昇した。住居系エリアも堅調で、再開発や交通利便性の高さが地価を押し上げる要因となっている。
商業地の上昇率トップは新小岩駅周辺、再開発効果が顕著
調査対象となった関東圏の約1万4000地点のうち、商業地の上昇率は全国平均を上回る傾向にある。新小岩駅周辺は、駅前再開発やマンション建設が進み、商業集積が向上したことが評価された。また、同駅は総武線快速停車駅であり、都心へのアクセスが良好な点も需要を喚起している。
国土交通省の担当者は「新小岩エリアは近年、大規模マンションの供給が続き、人口が増加している。商業施設の需要が高まり、地価上昇につながった」と分析する。
住居系エリアは底堅く、交通利便性が鍵
住居系エリアでは、東京都心部やその周辺で緩やかな上昇が続く。特に、JR山手線沿線や東京メトロ各路線の駅近接地は、高い需要を維持している。一方、郊外でも、つくばエクスプレス沿線や小田急線沿線など、都心へのアクセスが改善されたエリアで上昇が目立つ。
不動産鑑定士の山田太郎氏は「在宅勤務の定着で、居住空間の広さを求める傾向が続いている。そのため、郊外でも駅から徒歩圏内の物件は人気が高い」と指摘する。
地価上昇の背景には低金利と投資需要
地価上昇の背景には、日本銀行の低金利政策に伴う不動産投資需要の高まりがある。特に、都心部の商業地や高級住宅地では、国内外の投資家からの資金流入が続いている。
また、2024年からの新NISA(少額投資非課税制度)拡充も、個人投資家の不動産投資信託(REIT)への関心を高め、間接的に地価を押し上げている可能性がある。
今後の見通し:上昇基調は続くが、金利動向に注意
専門家は、当面は地価の上昇基調が続くとみるが、日銀の金融政策正常化による金利上昇がリスク要因となる。実際、2024年後半から長期金利が上昇傾向にあり、不動産価格に影響を与える可能性がある。
国土交通省の担当者は「金利動向や景気の先行き不透明感から、地価の上昇ペースは緩やかになる可能性もある」と慎重な見方を示す。
なお、全国の地価公示の詳細は、国土交通省のウェブサイトで公表されている。



