経済産業省「フロン類対策WG」と環境省「フルオロカーボン対策小委員会」の第4回合同会議が開催され、フロン類のさらなる排出抑制に向けた対策の中間取りまとめが行われた。フロン類はフルオロカーボン(フッ素と炭素の化合物)の総称であり、特にオゾン層を破壊する性質を持つCFC(クロロフルオロカーボン)とHCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)は、1985年のウィーン条約と1987年のモントリオール議定書により、新規生産が全廃されている。
代替フロンHFCsの排出実態と課題
オゾン層を破壊しない代替フロンとして導入されたHFC(ハイドロフルオロカーボン)は、地球温暖化係数がCO2の数百~数千倍と大きいため、2016年のモントリオール議定書キガリ改正により、先進国では2036年までに生産量・消費量を基準年比で85%削減することが義務付けられた。日本では2018年にオゾン層保護法が改正され、HFCsの生産量・消費量の段階的削減が進められている。
2024年度のHFCs排出量は約2,760万t-CO2換算で、日本全体のGHG排出量の約3%を占めている。しかし、地球温暖化対策計画における2030年・2040年の削減目標達成には大きなギャップが残されている。
排出量の内訳と新たな規制対象
HFCs排出量を機器の種類別に見ると、業務用エアコンが約33%、業務用冷凍冷蔵機器が約24%、家庭用エアコンが約23%と続く。機器のライフサイクル段階別では、廃棄時が約46%と最多で、使用時が約42%となっている。これらをクロス集計すると、「業務用エアコン・廃棄時」が最大の約20%を占める。
中間取りまとめでは、家庭用エアコンも新たな規制対象に加える方向性が示された。従来は業務用エアコンや冷凍冷蔵機器が中心だったが、家庭用エアコンの廃棄時におけるフロン回収率向上が課題となっている。
今後の対策の方向性
会議では、低GWP(地球温暖化係数)化への取り組みや、フロン類の回収・破壊の徹底、さらには機器の長寿命化や代替技術の普及促進などが議論された。具体的には、機器の廃棄時におけるフロン回収義務の強化や、新たな規制対象の追加、回収業者への指導・監督の徹底などが盛り込まれる見通しだ。
経産省と環境省は、今後パブリックコメントを経て、2025年度中に正式な対策を取りまとめる方針。これにより、日本全体のフロン類排出量のさらなる削減が期待される。



