山形大、光子観測の高速カメラ「IMONY」開発 芋煮にちなむ
山形大、光子観測の高速カメラ「IMONY」開発 芋煮にちなむ

山形大の中森健之教授(宇宙物理学)の研究室は、天体から飛来する光の粒「光子」を検出し、1000万分の1秒単位で記録する高速カメラ「IMONY(いもにぃ)」を開発した。機動性の良さが売りで、各地で世界トップレベルの高速観測が可能となり、日本からも宇宙の謎に迫ることが可能となった。

県民のソウルフードにちなんだ命名

「県民のソウルフード」芋煮にちなんで名付けられたIMONYは、縦・横・高さ各20センチほどの小さな装置だ。天体望遠鏡に搭載し、様々な天体から届く微弱な光を記録することが出来る。

ブラックホールの謎の解明や小惑星の大気の発見などが期待され、中森教授は「まばたきをしていると見逃してしまう瞬間にある宇宙の謎を解く大きな武器になる」と話す。

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せいめい望遠鏡での観測成功

2024年2月には、京都大学岡山天文台に設置されている東アジア最大級の「せいめい望遠鏡」(口径3・8メートル)に搭載し、「カニパルサー」と呼ばれる天体の観測を行った。地球からおうし座の方向に約6500光年離れている「中性子星」で、1秒間に30回転と高速回転しており、そこからまるで灯台のように周期的に出すビーム状の電磁波を検知することに成功した。

学生による10年以上の研究

学生を中心に10年以上研究を進めているプロジェクトで、今後の人材育成にもつながる。2014年から同研究室の学生たちが交代で開発してきた。中森教授は「日本最先端の技術を山形大の学生たちがつくりあげたことを知ってほしい」と強調する。

欧米に代わる観測の可能性

高速カメラでの観測はこれまで欧米が中心で、欧米が昼間の明るい時間に起きた偶発的な一瞬の事象は見逃されてしまっていた。IMONYを活用すれば、欧米が昼で東アジア圏が夜という時間の観測が可能で、国際連携も期待できるという。

持ち運びしやすく、簡単に複製できるのが特徴。何百キロにもなり得る装置をわずか1キロほどで実現した。アマチュアの望遠鏡にも取り付け可能で、複数地点で展開できる。

「粗削りだが、立ち回り次第では世界で戦える装置」と中森教授。車にたとえて「軽トラみたいなもの。フェラーリとはいかないけれど、舗装されていない道も走れる」と自信を見せた。

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