「外交の空」にも雨の備えを…不安定な米中関係に学ぶ折りたたみ傘の教訓
「外交の空」にも雨の備えを…不安定な米中関係に学ぶ

朝、窓の外は雨。寝ぼけ眼で天気予報と空を交互に見ながら、「きょうも雨か」とつぶやく。しかし、家を出ると雨は上がっていた。水たまりが鏡のように灰色の空を映す。足早に歩き出すと、間もなく雨粒が頬を打った。

出がけに傘を持っていくか迷ったが、「きっとこのあとは降らないだろう」と都合よく解釈し、結局、傘を持たなかったのがまずかった。近くのコンビニエンスストアで、ビニール傘のコレクションをまた1本増やしてしまった。

記録的な秋雨

気象庁によると、今年、東京都心は8月27日から雨が続き、1886年(明治19年)の統計開始以降で過去最長を更新した。一度でも降水を観測すれば「雨の日」として集計するため、気付かないほどの霧雨や、夜中の一時的な小雨も含まれるという。

次第に雨脚は強くなり、傘からこぼれる水滴が肩のシャツをぬらした。以前この欄で「日照りでも豪雨でもない、曇り空ぐらいがちょうどいい」と書いたが、秋雨が長引くと心が曇る。

外交の空にも雨

不安定で予想しづらい空模様は、「外交の空」にも広がっている。先月、高市早苗首相は、トランプ米大統領と首脳会談を行った。その2日後に控えた米中首脳会談を前に、「中国を巡る諸課題についてタイムリーに意見交換をした」と手応えを強調した。

ところが、米中首脳会談で、トランプ氏は、第2次世界大戦中の米中は「同盟」だったと語った。その後、習近平国家主席は「共に日本の軍国主義に対抗した」と対日批判を強めた。

直後、高市首相はトランプ氏と電話会談し、対中認識を共有したという。トランプ氏は習氏に日中首脳間での対話を促し、高市首相を擁護したとされる。歴史に頓着しないトランプ氏に対し、習氏はかねて歴史認識をすり込んできたとの見方がある。そうした中国の歴史戦に、日本が先手を打てていたのかが問われた局面だった。

備えの重要性

外交の空も、晴れ間から一転、思わぬ通り雨が降ることもある。それを見越し、折りたたみ傘を常に備えておくことが大切なのだろう。

爽やかな秋の涼風と穏やかな日差しが待ち遠しい。それでも、にわか雨に備えて折りたたみ傘をかばんに忍ばせておきたい。政治のリーダーたちには、雨にぬれてからコンビニへ走るような不覚を取らないでほしいものだ。