作家の東野圭吾さんが亡くなったことを受け、ドラマ「白夜行」の脚本を務めた森下佳子さんが、原作者との思い出を語った。
ドラマ化のきっかけと初対面
森下さんは、TBSの担当者から「何かやりたい作品はありますか」と聞かれた際に、同作を提案。当時は「世界の中心で、愛をさけぶ」を手がけた直後で、まだ駆け出しの頃だった。
東野さんとの初対面では、待ち合わせのホテルを間違え、約30分遅刻してしまった。「本当にひたすら謝るしかありませんでした。でも東野さんは『仕方ないよね』と笑って受け止めてくださいました」と振り返る。
「やってみなさい」の言葉
すでにプロットに目を通していた東野さんは、夕暮れや工場などの風景について「印象的でいい」と評価。森下さんは「思い切った提案だったと思いますが、『じゃあ、やってみなさい』と背中を押してくださった。本当に度量が深く、懐の大きな方でした」と感謝した。
原作を「裏返す」脚本
ドラマの脚本では、原作小説の第三者の視点ではなく、亮司(山田孝之)と雪穂(綾瀬はるか)の視点で描く「裏返す」手法を採用。「東野さんが築かれた世界を『裏返す』ことを許していただきました。おこがましいのですが原作とセットになる作品として見てもらえるものにしたいと心がけた。その思いだけで無我夢中で書きました」と明かした。
その後、個人的な交流はなかったが、初めて会った時のことは今でも昨日のことのように覚えているという。「若くて実績のない私にとって、『白夜行』は『これをやったぞ』と自分で言えるものができた。心からお悔やみと感謝を申し上げます」と締めくくった。



