「ラストノート」第9話、毒親・眞澄の闘病で父子和解、優子も救われた感動の展開
「ラストノート」第9話、毒親・眞澄の闘病で父子和解、優子も救われた

フジテレビ系ドラマ『ラストノート』(毎週木曜22:00~、FOD・TVerで見逃し配信)の第9話が3日に放送された。内田有紀と寺西拓人がW主演を務める本作は、20歳差という年齢だけでなく、育った環境や経験にも大きな隔たりがある“恋をするはずがない/恋するわけにはいかない”男女が惹かれ合う大人のラブストーリーだ。

周囲の事情がほどけ、残された問題は「20歳差」への向き合い方

今回、これまで2人の恋を阻んできた周囲の事情が一つずつほどけていくことで、最後に残ったのは、誰かに邪魔される恋ではなく、葵と澄晴自身が「20歳差」という現実にどう向き合うのかという問題だった。“好き”だけではどうにもならないことが増えていく大人の恋だからこそ、その先にどんな答えを出すのかが、いよいよ真正面から問われる。

毒親・眞澄の闘病と父子の和解、予想外の涙

今回のメインエピソードとなったのは、澄晴(寺西)の“毒親”・眞澄(佐々木蔵之介)の闘病と、父子の和解だった。これまでの眞澄との物語は、今作のエンタメ要素とも言える、好きという思いが暴走し、その果てにストーカーと化していた優子(坂井真紀)のエピソードと比較すると、親子間の不和によって恋愛が邪魔されるという展開の弱さもあって、正直、あまり感情移入できていなかった。

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そもそも、父親が息子の恋愛に介入してくる、その真意も今ひとつつかめなかったのだ。また、そんな父親が急に病に冒されるという展開についても、最終回が近づいたからこその、クライマックスに向けた安直な“駒”なのではないかと思っていた。

ところが、だった。妻を早くに亡くしたことで眞澄が抱えてきた息子への思いが前回描かれ、今回は、自らが死に近づいたことで、その思いがより鮮明に浮かび上がってきた。「もっと違う人と幸せになれるはずだ」という願い――それが、今回一気につながった。

“好き”を邪魔する権利はない。けれど、息子を思うがゆえに、そうせずにはいられない父の思いに、どうしようもなく共感してしまったのだ。

何より、これまで少しずつ積み重ねられてきた、ぐちゃぐちゃだった父子の思いが、眞澄の闘病というエピソードによって、人情の物語として紡ぎ直されていく。その過程が素晴らしく、まさかこのドラマで、ここまで涙を誘われるとは思いもしなかった。

眞澄の思いが優子を救い、美しい着地

眞澄の父親としての思いが、優子にもつながっていく展開もまた見事であった。父の介護を続けて自分の人生を送れず、その空白を埋めたいという思いが、澄晴への過剰な執着や暴走にもつながっていった優子。その優子の思いと、眞澄が息子・澄晴へ抱く思いが重なることで、優子自身が前へ進むきっかけを得て、さらには澄晴との和解へとつながっていく。その美しい着地が見事だったのだ。

優子は、ドラマをかき乱す“待ってました!”の存在である。一方で、ここまで見てくると、どうにか幸せになってほしいという愛着も湧いていたキャラクターだ。だからこそ、急に人が変わったように諦めるのではなく、最終回間近だからと雑に処理されるでもなく、これまでストーカーと化してまで澄晴に執着していた複雑にこじれた優子が、澄晴の父親によってほぐされ、思いもよらない形で人生を救われる。そのストーリーのつながりに、素直に感動してしまったのだ。

とはいえ、ラブストーリーというものは、出会って付き合うまでのターンがあり、そこから何らかのすれ違いが起こって別れてしまう。そして、そこからどうやってハッピーエンドへ向かうのか。もしくは、向かわないのか。そこまでを描くのが常套だ。

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第9話終了時点で、葵と澄晴の恋を外側から阻んできたしがらみは、ひとまずなくなったと言っていいだろう。ここからは、いよいよ真正面から、20歳差という恋をどうやって乗り越えていくのか、というターンになってくる。

これまで2人の恋を邪魔してきたものが、ひとつずつ取り除かれたからこそ、ここから濃密に描かれるであろう“大人の恋愛”そのもの。20歳という年齢差を、2人はいったいどう受け止め、どう生きていくのか。――さて、その先に待っているのは、本当にハッピーエンドか?