乳がん公表の石原詢子、涙流し感謝 9ヶ月ぶり長尺ステージ「なんとか乗り越えていけそうな気がする」
乳がん公表の石原詢子、涙流し感謝 9ヶ月ぶり長尺ステージ

今年2月に乳がんのため手術を受けていたことを公表した歌手の石原詢子(58)が20、21日、都内でディナーショーを開催。涙を流し、ファンに感謝を伝えた。

「詢子の和の世界」で故郷・岐阜にちなんだ楽曲を披露

1日目は「詢子の和の世界」と題し、3部構成で行われた。冒頭は尺八・箏・津軽三味線のみの演奏で「紅い月」と「ふたり傘」からスタート。黒の桜柄の振袖で登場した石原は「皆さまに楽しんでいただけますよう、精一杯、心を込めて歌わせていただきます」と意気込みを語った。

今回は“うたりすと”と題した、曲目や披露する詩吟の解説を載せたお品書きを、ひとりひとりの名前を添えて観客にプレゼント。「郡上節 かわさき〜郡上の詩」「ほたるのふる里(和歌「何ごとも」入り)」「濃尾恋歌」と故郷・岐阜にちなんだ楽曲を披露し、「郡上節 かわさき」は囃子方の太鼓とスリ鉦のリズムに乗せて、かけ声レクチャーにより会場全体が盛り上がった。

10分超の大作や端唄初挑戦、涙の感謝も

2部の岐阜コーナーラストには、白地に紫の総絞り振袖の上に、紫のオーガンジーの色打掛を身にまとい、吟詠歌謡「淡墨桜」を披露。2007年リリースの「淡墨桜」の中に淡墨桜の名前の由来にもなっている和歌と、江戸時代の漢詩人・広瀬旭荘作「桜祠に遊ぶ」という漢詩を織り交ぜた10分を超える大作を歌い上げ、会場を魅了した。

3部では明るい水色の着物で登場し、「端唄」を初チャレンジ。端唄の師匠・春日とよ芝鳳の三味線演奏で披露した「梅は咲いたか」では、自身のことを書いた替え歌を織り込み、会場全体が“詢子コール”をする場面もあった。津軽三味線の曲弾きから「千恵っ子よされ」に加え、自身のターニングポイントとなった「夕霧海峡」を披露した後、応援に駆けつけた歌仲間を紹介する際には、先輩の山川豊に対し「病気になってからずっと支えてくださって…」と涙を流し感謝を述べた。ラストはデビュー曲「ホレました」を、津軽三味線とエレキギターメインによるロックバージョンで披露した。

「もうひとつのバースデー!」でデビュー記念日をファンと祝福

21日に行われた「もうひとつのバースデー!」は、デビュー記念日をファンと楽しむ、アットホームな内容となった。冒頭はデビュー2作目の「あなたにとまれ」からスタート。21歳頃の歌唱シーンがスクリーンに映り、オレンジの花柄の振袖でステージに登場。「今と変わらないでしょ?最近撮影したんです」という冗談混じりのトークで、客席からは笑みがこぼれた。

オリジナル曲の中で特にお気に入りだという「桟橋」、NHK紅白歌合戦初出場曲「みれん酒」、自身作詞作曲の「風花岬」を披露。続けて、岩崎宏美「思秋期」、吉幾三「酔歌」、石川さゆり「天城越え」、千昌夫「望郷酒場」、八代亜紀「おんな港町」と、尊敬する先輩歌手の昭和の名曲をカバーした。

原点である詩吟「明日坂(詩吟「宝船」入り)」を披露。この曲は、家元である父から直々に指導を受け、アルバム曲からカップリング、そしてシングル曲へと進化した思い出深い曲。静岡県の樹海で撮影した「恋雨〜KOISAME〜」MVのメイキング映像が流れ、真っ赤なドレスで再びステージへ登場し、「恋雨〜KOISAME〜」を情感たっぷりに歌い上げた。

38年を振り返り、新曲リリースもサプライズ発表

改めて38年を振り返り、40枚を超える曲をリリースした中で、デビュー10周年「人恋しぐれ」、20周年「なごり雨」、35周年「五島椿」の記念曲をセレクト。昨年に発覚した乳がんにより、現在も治療を続けている中で、スタッフと温かい声をかけて支えたファンに対して感謝の思いを伝えると、声を詰まらせ、涙を流す場面も。「辛いことや悲しいことがあっても、この曲を聴くと、なんとか乗り越えていけそうな気がする」という、自身にとっても応援歌である30周年記念曲「遥かな道」でこの日のショーは幕を下ろした。

ショーの終盤にはサプライズで来年1月13日に新曲をリリースすることをファンに知らせ、会場は大きな拍手と笑顔に包まれた。ファン待望の新作は石原詢子らしい“しあわせ演歌”だと明かした。過酷な闘病生活を経て、およそ9ヶ月ぶりの長尺でのステージ。その復帰を待ちわびたファンからの大きな拍手と“詢子コール”が響いた。