「十勝魂だ!」――5月29日夜、帯広市のライブハウスで、プロ奏者4人からなる「ホッカイドウ・ジャズ・カルテット(HJQ)」の公演が行われた。ベース奏者の佐々木源市さんが観客に向かって叫ぶと、激しくスピード感あふれるリズムに手拍子がわき起こり、会場は熱気に包まれた。
「Cultivation」に込めた開拓の精神
演奏されたのは、佐々木さん作曲の「Cultivation」。開拓を意味する曲名には、十勝地方の開拓の祖とされる依田勉三への敬意が込められている。HJQは道内外に「ホッカイドウ・ジャズ」を届けたいという思いから結成された。
メンバーは、主に道内で活動するサックス奏者の蛇池雅人さん、ドラム奏者の宇野修さん、佐々木さん、そして米国でアレンジャーとして活躍したピアニストで、「マンハッタン・ジャズ・クインテット」のリーダー、デビッド・マシューズさんの4人だ。
札幌ジャズアンビシャスから派生
HJQの源流は、札幌市で開かれるジャズの祭典「サッポロ・シティ・ジャズ(SCJ)」の実行委員会の呼びかけで結成されたプロ奏者のバンド「札幌ジャズアンビシャス」にある。同バンドに参加していた蛇池さんが、音楽監督を務めていたマシューズさんらに呼びかけ、HJQを結成。昨年アルバムを発売し、今年5月にはSCJの後援を受け、札幌、旭川、釧路、幕別など7市1町を巡るツアーを行った。
ジャズ界の「大物」であるマシューズさんとの活動は、ほかのメンバーの活力にもなっている。佐々木さんは「憧れの人とカルテットを組んで、自分の曲を演奏してもらえるなんて本当に幸せ」と笑顔で語る。蛇池さんは「本物のスイング、リズム感覚を持つマシューズさんと各地を巡り、プレーヤー同士のつながりを生むことにも大きな意味がある」と話す。
マシューズさん「北海道を元気に」
活動に充実感を得ているのは、マシューズさんも同じだ。HJQでの自身の役割について「メンバーと音楽の楽しさを全身で表現し、より良い音楽を探究して、北海道を元気にすること」と力を込める。公演で聴衆から「パワーをもらった」などと声をかけられることも励みになり、「北海道のファンやミュージシャンと過ごす時間は、希望と喜びに満ちている」という。
「来年以降は道外ツアーもやってみたい」と蛇池さん。北海道からジャズを発信するHJQの活動は、これからも広がっていく。



