透明度の高い海。くらたまの田舎(写真:筆者提供)
漫画家の倉田真由美が55歳で迎えた夏の帰省。家族と共に過ごした時間の中で、愛する人や風景の老いを痛感するエッセイをお届けする。
家族で味わうみそラーメンの味比べ
いろいろな種類のみそラーメンのスープを、皆で一口ずつ味見して、「私はこれがいい」「私はこれ」と言い合います。義弟以外は、自分が注文したラーメンが見事に一番自分好みという結果でした。義弟だけは「ちょっと辛すぎた」とぼやいていましたが、5種類も味見したのは彼も初めてだったようで、「次は焦がしみそにしようかな」と言っていました。
私の豚骨みそはいい感じで脂っこくておいしかったですが、私が普段、外でラーメンを食べるときは大抵1人なので、こうやってわいわいテーブルを囲んで食べることそのものが味わい深かったです。
日が暮れたら、海岸で花火
帰宅途中、立ち寄ったスーパーで娘と姪が花火を買ったので、日が暮れてから海岸へ行き、花火をしました。砂浜には人気がなく、波が打ち寄せる音が静かに響くだけです。私は泳ぐつもりで服の下に水着を着込んでいたのですが、「暗すぎて危ないから」と妹に止められてしまいました。
確かに、夜の海は凪いでいても下に何かが潜んでいそうな気がして、少し怖いです。あきらめて足を浸すだけで我慢して、「明日の朝、東京に帰る前に泳ぎに来たい」と妹にねだりました。せっかく海のきれいな地元に帰省しているのだから、一度は泳ぎたいのです。
翌朝早起きして海へ
翌朝早起きして、母を除く全員と犬で海に繰り出しました。娘と姪は、水鉄砲で遊んでいます。私は海に浸かり、その生温い温度に夏を感じながら、大事なノルマを1つこなしたような満足感に浸りました。犬も私について海に入り、満面の笑み。海を怖がる犬もいるようですが、うちで飼った犬は代々、海が大好きです。



