作家で生活史研究家の阿古真理氏が、1年半にわたる取材を経て「産むも産まぬも」どちらの選択にも困難が伴う少子化社会の現実を描いた連載を総括した。
子育ての孤独と「育児119」
社会の中に居場所がないためか、子育ては孤独な営みとなっている。幼い子どもを抱える多くの親が切実に助けを必要としていることは、2025年に始まった「育児119」にSOSを寄せる声が多い現状からも明らかだ。この取り組みを取材した記事は、本連載で最も多く読まれた。
「育児119」を取材した記事(2026年3月18日)では、電話口で母親が号泣する様子や、父親からの相談も寄せられる実態が報じられ、「孤独な子育てをなくしたい」という代表の思いが伝えられた。
産んだ人が苦しまない道筋
産んだ人が苦しまないための道筋を示したのは、もともと産むつもりはなかったが産んだ2人の女性だ。両者とも、夫や親族が関わる体制を築いた上で妊娠し、夫婦ともに自分の時間を確保している。
2025年8月11日の記事では、「子どもを産むつもりはなかった」女性が出産した理由とその後が紹介され、変わりゆく現代の家族像が追われた。
地方女性へのプレッシャー
「子どもを持つのが当たり前」という風潮は今も続き、女性へのプレッシャーが特に厳しいのは地方だ。地方女性の実情を取材したところ、30年以上変わらない男尊女卑傾向に驚かされた。女性が責任ある仕事を任されて自活するのも難しく、シングル女性は差別され、さまざまなハラスメントが横行する現場について聞いている。
2025年10月26日の記事では、地方女子プロジェクト代表・山本蓮さんが「結婚は?」「子どもは?」といった問いかけにさらされる地方女性の「生きづらさ」を語った。2025年11月5日の記事では、作家・山内マリコ氏が地方女子のリアルと、子どもを巡る価値観を社会と自分の内側から問い直した。2026年2月25日の記事では、「結婚は不要、でも子どもは欲しい」と語る“戦略的シングルマザー”の並々ならぬ覚悟と、地方都市で直面した両立の厳しすぎる現実が報じられた。



