2026年7月4日から放送開始されるウルトラマンシリーズ最新作『ウルトラマンテオ』は、1966年の『ウルトラQ』から続くシリーズ60周年の記念作品として、さまざまな新機軸が打ち出される。本作は、故郷を失った宇宙人が地球で大学生として暮らしながら、怪獣との戦いを通じてヒーローとして成長する物語だ。メイン監督の二宮崇氏とメイン特技監督の辻本貴則氏が、本作に込めた思いとウルトラマンシリーズの可能性について語った。
未熟なウルトラマンの成長物語
主人公の光石イブキは、母星「H12」を滅ぼした宇宙怪獣との遭遇をきっかけに、青い光の巨人ウルトラマンテオに変身する。しかし、当初は戦いに消極的で、なるべく戦いたくないというスタンスだ。このキャラクター像は、シリーズ構成・脚本を手がけた田辺茂範氏とプロデューサーが最初に固めたものだという。二宮監督は「ウルトラマンシリーズ初参加で、特撮は未知の領域だったが、歴史ある作品に参加できるワクワク感が勝った」とオファー当時を振り返る。
ドラマと特撮の分業と融合
近年のウルトラマンシリーズでは、ドラマ部分と特撮部分を一人の監督が手がけるケースが多いが、本作では二宮監督がドラマパート、辻本監督が特撮パートを担当する分業制を採用。二宮監督は「お互い集中できてやりやすかった」と語り、辻本監督は「メイン特技監督として二宮さんに寄り添うことを第一に考えた」と述べる。両者は合成カットの入れ方など細かく相談し、「本編と特撮の融合」を密に行ったという。
主人公と仲間たちのキャスティング
イブキの仲間となる明心大学天文研究会のメンバーは、岩崎碧(イブキ役)、神谷天音(エマ役)、中田乃愛(カンナ役)、上村侑(リンタロウ役)、森本竜馬(ベッチ役)と、全員オーディションで決定。二宮監督は「全員キャラクター性があって役柄にピッタリ。ウルトラの防衛チームでは出せない学生ならではの世界観を意識した」と語る。
プチ怪獣プッチーのこだわり
物語の鍵を握るプチ怪獣プッチーは、二宮監督と辻本監督がデザインから造型まで時間をかけて作り上げた。辻本監督は「感情表現のためまばたきのギミックを仕込み、特に目にこだわった。まぶたを顔の皮膚と一体化させ、リアルなまばたき表現を可能にした」と説明。二宮監督は「プッチーを通じて『生命と向き合う』ことを強調したい」と語る。
レジェンド集結の劇伴音楽
音楽は、過去にウルトラマンシリーズを手がけた川井憲次氏、小西貴雄氏、高梨康治氏の3人のレジェンドが集結。二宮監督は「60周年で3人で共作できるなら何曲でも作る」と心強い言葉をもらい、川井氏が日常系、小西氏が心情系、高梨氏が戦闘系など得意分野を活かした楽曲を制作。第1話でイブキが変身するシーンの音楽は、「戦いたくない」と同時に「守りたい」という気持ちが目覚める瞬間の神々しさを表現するため、何度もデモを重ねた自信作だという。
シンプルな作風と60周年へのオマージュ
本作は全体的にシンプルな作風を目指しており、変身アイテム「テオクリスター」のデザインやタイトルロゴは初代『ウルトラマン』を意識。二宮監督は「一度シンプルなものに戻ろうという意識が各方面にあった」と語る。また、エンディングでは初代『ウルトラマン』をイメージさせるシルエットを用いた新規映像を撮影。これまでのエンディングはその回のダイジェストが多かったため、スタッフから驚きの声が上がったという。
特撮のクオリティと監督たちの挑戦
二宮監督は完成した特撮パートを観て「想像を超えた素晴らしいクオリティに驚愕した」と絶賛。辻本監督は「地上目線から怪獣とウルトラマンの戦いを見上げるワンカット長回し風の演出を取り入れ、巨大怪獣の迫力を自然な形で感じてもらいたい」と語る。二宮監督は「初めてウルトラマンに触れる子どもたちにも、長年のファンにも楽しんでもらえる作品を目指した」と締めくくった。
作品概要
『ウルトラマンテオ』は2026年7月4日(土)午前9時からテレ東系列6局ネットで放送開始。配信はTVer、ネットもテレ東、TSUBURAYA IMAGINATION、YouTubeウルトラマン公式チャンネルなど。出演は岩崎碧、神谷天音、中田乃愛、上村侑、森本竜馬、福島リラ、マキタスポーツ。声の出演に小林ゆう。製作は円谷プロダクション、テレビ東京、電通。



