オバマ元大統領、ジャクソン師追悼式で「私を遣わしてください」と聖書引用
オバマ氏、ジャクソン師追悼式で聖書引用

米国の公民権運動指導者、ジェシー・ジャクソン師(Reverend Jesse Jackson)が2月に84歳で亡くなった。その追悼式でバラク・オバマ元大統領が述べた弔辞の一部を紹介する。

オバマ氏は旧約聖書イザヤ書の一節を引用し、「神は、心をかたくなにし、反抗的な民衆を導く使者を探しておられた。そして主は『誰を遣わそう。我らと共に歩むのは誰か』と尋ねられる。イザヤは答えた。『ここにおります。主よ、私を遣わしてください』と」と語った。

続けて「本日、ジェシー・ルイス・ジャクソン師を称えるこの場に、皆さまと共に参加できることを光栄に思う。ジャクソン師は貧しい者、持たざる者が自分たちのために戦ってくれる人物を必要としている時、国が癒やしを求めている時、何度も進み出てこう言った。『私を遣わしてください』と」と述べた。

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厳しい差別の中で育つ

ジャクソン師は1941年に米南部サウスカロライナ州で生まれ、肌の色の違いによる厳しい差別や貧困の中で育った。60年代には公民権運動を率いるマーチン・ルーサー・キング牧師の側近として弱者の支援や政治参加に尽力した。

3月にイリノイ州シカゴで開催された追悼式には、一般の人から著名人、政治家、元大統領まで多数が参列した。アフリカ系米国人として初の大統領となったオバマ氏もその一人だ。

話の構成は、①ジャクソン師の子ども時代、②その後の活動と人となり、③オバマ氏が受けた影響、④世代を超えて受け継ぐ精神、となっている。

「Send me」が鍵言葉

抜粋は弔辞の始まりで、旧約聖書から引いている。鍵となる言葉は「Send me.」だ。聖書の言葉を体現するジャクソン師を表す言葉として、この後も出てくる。

日本語の弔辞は人の死を悼み悲しみを述べる言葉だが、英語ではeulogyで、eu-は良い、logyは言葉を示す。現世での務めを十分に果たして旅立つ故人の良き行いや思い出を語り、称える言葉はむしろ明るい。celebrateもよく使われると、米国出身の同僚は話す。

ここでのchampionは勝者ではなく、弱者など他の人の権利や名誉のために戦う人だ。社会正義などの話でこの語が出てきた時は、迷わず意味をつかめるようにしよう。

幼少時から優れた資質

ジャクソン師の母親は未婚でまだ10代だった。学校や運動施設、映画館では肌の色による隔離や不平等を強いられるなど厳しい環境で育ったことにオバマ氏は触れる。

それは「a world designed to tell a child that he or she could only go so far, that to think otherwise would be foolish or dangerous.」(子どもに対し、自分たちが行ける限界と、それ以外のことを考えるのは愚かであるか危険なことだと教え込むように設計された世界)で、賢さとは分をわきまえることだったと表現する。

しかし、「Young Jesse refused to accept that verdict.」(若きジェシーはそのような決めつけに屈しなかった)と話を続ける。verdictは裁判の決定の他に、意見や判断なども指す。ver-は真、dictは話すから成る。

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