映画「免許返納!?」公開1か月 福島ロケ地に聖地巡礼の波
映画「免許返納!?」公開1か月 福島ロケ地に聖地巡礼

映画は、舘ひろしさん演じる70歳の映画スター南条弘が主人公。盟友であるライバル俳優の交通事故を受けて答えたコメントが免許返納の意思を示したと拡大解釈されてしまう。マネジャーらは免許を返納するよう促すが、訳あって受け入れない。その後、盟友の願いと最愛の妻との約束をかなえるために東北へ旅に出る――というストーリーだ。

23日時点で興行収入は7億1300万円、観客動員数は54万人を超えた。重要なシーンで登場するのが、福島市の高湯温泉と土湯峠を結ぶ「磐梯吾妻スカイライン」。1959年に開通した山岳観光道路で、好天時にはダイナミックな山肌や季節ごとの自然が楽しめる。

ロケ地巡りの現場から

4日午前、スカイライン沿いの「浄土平レストハウス」。時折、晴れ間が差し込むと、観光客から「映画と同じだ」「壮大な眺めだね」と感嘆する声が聞かれた。映画を見て、夫とともに県内のロケ地を巡っている仙台市の主婦(55)は「初めて来たが見下ろす景色がいい。次の季節にまた来たい」と笑みを浮かべた。

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観光効果を生み出そうと、ロケの誘致や撮影に関わった団体や施設では様々な取り組みが行われている。

地元団体の誘致策

ロケ地の選定などを支援した福島市観光コンベンション協会は、主なロケ地となった7か所を紹介するオリジナルマップを作成。3万3000部を発行し、18都府県の映画館に配った。

二本松市の「二本松バイパスドライブイン」はロケ地の一つ。レトロな外観や食事を撮影し、指定のハッシュタグを付けてX(旧ツイッター)に投稿すると、抽選で映画の特製グッズなどが当たるキャンペーンを今月末まで実施している。同店マネジャーの阿部孝子さん(58)によると、映画公開後、利用客が通常より数割増えた。「舘さんはどこに座ったんですか、と尋ねる人は多い。二本松をPRする意味でも映画を盛り上げたい」と阿部さん。

地元の期待と専門家の見解

県内では大型観光企画「ふくしまデスティネーションキャンペーン」が6月末に終了したばかり。福島市観光交流推進室の小沢健也係長(47)は「県内外の人が福島の魅力を再発見し、経済効果を生む機会にしたい」と力を込める。

聖地巡礼に詳しい近畿大の岡本健教授(観光学)は「作品に関連する場所だけでなく、より広域の周遊を促す自治体の施策によって地域を愛してもらえるようになれば、コンテンツツーリズムが成功する」とアドバイスする。

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