『みいちゃんと山田さん』アニメ化に懸念、全国手をつなぐ育成会連合会が意見書を公開
『みいちゃんと山田さん』アニメ化に懸念の意見書

一般社団法人全国手をつなぐ育成会連合会(以下、育成会連合会)は、漫画『みいちゃんと山田さん』のアニメ化に関する意見書を公開した。アニメ化そのものに反対するのではなく、知的障害者をエンターテインメント化することへの懸念と、詳細な説明を求める内容となっている。

意見書の背景と基本的な考え方

意見書では、育成会連合会が障害者基本法に定める「共生社会」の実現を目指して活動していることを説明。「今般、漫画作品『みいちゃんと山田さん』がアニメ化されるとの報道があり、本会としても慎重に事実関係を確認してまいりました」と経緯を述べている。

作品中の主人公「みいちゃん」については、知的障害の判定を受けておらず明示的に知的障害者とはいえないものの、描写から軽度知的障害もしくは境界知能の状態が強く示唆されると指摘。作者の亜月ねね氏が、軽度の知的障害があり障害者手帳を所持していた女性をモデルとしたと発言していることも踏まえ、意見を表明した。

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基本的な考え方として、育成会連合会は「知的障害者の権利擁護を活動の主軸とする団体」としつつ、「表現の自由については憲法で保障されている権利ということを踏まえ、本会として一律に映像化を反対する立場は取りません」と明記。ただし、懸念が払拭されることを強く希望するとしている。

制作者の言動に対する懸念

意見書では、作者の過去の言動として、吃音のある人が社会生活上の困難を抱える状況を「うまく注文できないことを店員から馬鹿にされる」形で取り上げた作品や、認知機能・知的機能が低下した状態を「みいちゃん化」と表現したこと、以前のペンネーム「ダイアナ」名義で特殊学級(特別支援学級)をネガティブに捉えた作品があったことを指摘している。

また、出版社である講談社の編集部員が過去の動画で「人の不幸話はめちゃくちゃ楽しい」「誰かが可哀想な目に遭うところを見たい」「ポップに罪悪感なく人の不幸が読めちゃう」といった発言をしていたことも確認されたとし、こうした言動は「知的障害が強く想起される『みいちゃん』および障害者の人格と個性を尊重しているとは言いがたく、いわば『面白おかしく』扱った上でエンターテインメント化している」と強い懸念を示した。

「みいちゃん」が蔑称として使われている実例

育成会連合会の調査では、現実社会で「みいちゃん」が知的障害や発達特性のある女性を揶揄・侮辱する言葉として使われている事例が複数報告されているという。制作側が意図的に拡散させている事実は確認されていないが、懸念すべき事項であり、後述のレーティングに関係するとしている。

製作委員会のコメントへの意見

講談社も参画する「みいちゃんと山田さん」製作委員会から発表されたコメントに対し、育成会連合会は以下の意見を述べている。

まず、アニメーションとして表現する意義について、委員会は「アニメーションとして表現する意義があるという判断」を記述しているが、確認された事象を踏まえた上での「意義」とは何か、説明が必要としている。

次に、専門家の助言について、委員会は「偏見や誤解を助長することのないよう、専門家の助言等」を得ていく旨を記述したが、専門家の立場や助言の内容についての説明がないと指摘。個人名を明かす必要はないが、少なくとも専門家の立場や助言の内容については説明が必要としている。

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最後に、レーティングについて、委員会は「適切なレーティングや注意喚起を記載する」と対応を記述。レーティングを明示することは少なくとも地上波放送ではないと考えられるが、育成会連合会として未成年者が気軽に視聴できる環境は望まず、適切なレーティングを希望するとしている。

意見書は「『みいちゃんと山田さん』製作委員会の皆さまには、ぜひご一読いただきますよう、お願い申し上げます」と締めくくられている。