11日に放送された日本テレビ系番組『アナザースカイ』(毎週土曜23:00~)に、YouTuber、ファッションモデル、タレント、エッセイスト、歌手とさまざまな肩書を持つkemioが出演。彼が10年前に移り住んだロサンゼルスでの経験を語り、視聴者の間で大きな反響を呼んでいる。
「すべてが始まった街」ロサンゼルスでの10年
「カリスマ動画クリエイター」の異名を持つkemioが注目を集めるようになったのは2013年。6秒動画アプリ「Vine」で人気を博し、現在に至る。彼がロサンゼルスへ引っ越したのは20歳の時で、ちょうど10年前から住み始め、3年間をそこで過ごした。kemioはロサンゼルスを「すべてが始まった街」と表現した。
渡米のきっかけは、「自分に中身がないから」という思いだった。アイドルとしてテレビにも出演していたからこそ感じたことだったという。
英語も話せず「幽霊」と呼ばれた日々
英語も話せないまま渡ったアメリカで、当時通った語学学校の校長は彼を「幽霊のような人物だった」と笑顔で表現する。学校に来てもただ会釈で挨拶するだけ、すぐ遅刻する、宿題もやってこない。退学させられそうになったこともある。kemioは「英語を話して間違うのが怖くてしゃべられなかった」と振り返る。
明るかった男が萎縮した。しかし苦労はそれだけではない。人生初の一人暮らしもロサンゼルス。暮らしたアパートは今も残っており、そこを訪れた彼は「全然変わってない」と喜びながらも当時を思い出す。
ロサンゼルスは車社会で、東京のように歩いている人が少ない。自然と一人の時間が多くなり、「さみしいなと思う時間もすごくありましたね」と語る。家族に泣きながら電話をかけた日もあったという。
ゲイバーで英語と自分らしさを学ぶ
しかし、人との出会いが自分を変えてくれるのではないかと考えたkemioは、世界で最も有名なゲイバーのひとつで、LGBTQ+の聖地として知られるバーへ通い始めた。自身がゲイであること、そして生きた英語を学ぶためだった。
そして時間は現代に戻る。彼はロサンゼルスでも一番の大親友に再会した。現在はロンドン在住だが、kemioのためにわざわざ来てくれたのだった。思わずkemioの目にも涙が浮かんだ。
行動で掴んだチャンス
こうして英語を身につけた彼は、オープンコールと呼ばれる、経歴、国籍、年令を問わず受け付けるオーディションに参加するようになった。どれぐらい通ったか分からなくなるほど何度も向かい、モデルエージェンシーとの契約を目指した。そのために行動を続け、自力で写真家を探して撮影してもらい、オーディション用の素材もいくつも作った。
「一人がチャンスくれたら、そこから一気に広がるじゃないですか。その一人に会うために」時間も労力も惜しまなかった。そしてついにとあるマネージャーと契約。それが彼の契機となった。「行動ぐらいしかないです。特技が」と語る。
ロサンゼルスで見つけた「自分らしさ」
ロサンゼルスという街では、自分がゲイだということをわざわざ言わなくても、どんな人でも受け入れてくれたのが、彼にとってもよかった。そして自身のセクシャリティーを発信することで、逆に勇気づけられたりもした。探していた「自分らしさ」がこの街で発見できたという。
「僕の生き方を見て、誰かのきっかけになってくれれば」。それは素直で自分のすべてをさらけ出し、自分にも正直で生きる彼ならではの言葉だった。
SNSで感動の声相次ぐ
今回の放送にX(Twitter)では、「kemioの言葉の一つひとつに泣いた」「何度も観ている。そのたびに泣いている」と勇気づけられるファンもいれば、「こんな人がいたのか。生き方の参考になる」「とにかく行動って本当にその通りだと思う」と、新たなkemioファンも生まれたようだ。この放送はTVerで配信されている。



