「銀河の一票」最終話が感動の名作に。宮沢賢治の問いを選挙ドラマで描く
「銀河の一票」最終話が感動の名作に

カンテレ・フジテレビ系で放送中のドラマ『銀河の一票』(毎週月曜22:00~、FOD・TVerなどで配信)の最終話が、29日に放送された。本作は、政界を追い出された星野茉莉(黒木華)が、市井のスナックのママ・月岡あかり(野呂佳代)をスカウトし、東京都知事選に挑む姿を描く。最終話はあまりに感動的で、本作はこの最終話によって名作ドラマに名を連ねたと感じられる。宮沢賢治が問うた「幸せ」の答えを、100年越しに選挙ドラマとして描いたこの作品を、改めて解説したい。

最終話のあらすじ:都知事になった流星の横に、茉莉とあかりも

茉莉は、流星(松下洸平)から「茉莉ちゃんには知る権利がある」と“告発の手紙”に関する調査報告書を見せられる。同じ頃、五十嵐(岩谷健司)は鷹臣(坂東彌十郎)の政策秘書・雫石(山口馬木也)に、自ら突き止めた5年前のある重大な事実をぶつけていた。当時、厚生労働大臣だった鷹臣は、医大教授の新座値利から取引を持ちかけられた。それは、茉莉の実母・瑠璃(本上まなみ)が冒されていた悪性心筋血管芽腫の治験に対するものだった。

元々ぜんそく持ちだった瑠璃は、治験を受けられなかった。だが新座は、その治験プロトコル(守るべき手順や規則を明確に示した実施計画書)を変え、ぜんそく既往歴者でも受けられるようにした。その代わりとして新座が持ちかけたのは、多額の科研費と学部長昇進の融通。これを鷹臣は受け入れた。すべては愛する妻である瑠璃を救うためだったのだ。

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だが不正で手に入れた地位。学長が内部調査を始め、新座は再び危機に陥る。そして、その不正な取引を公にされたくなければ、また権力で助けてくれと鷹臣を脅し、鷹臣はそれを断った。そして新座は自死した…ここまでが流星と五十嵐の推測だった。

鷹臣は、全体のために使うべき権力を個人のために使ってしまった──。その事実が明るみに出れば、鷹臣だけでなく娘で秘書を務めていた茉莉も、非難の目にさらされてしまう。ゆえに鷹臣は茉莉と絶縁した。その可能性も浮上した。

茉莉の決断とあかりの言葉

茉莉は流星に告げる。この不正を最初は選挙に使おうとしていた。だが踏みとどまった。それは、あかりの言葉があったからだった。言っていることが綺麗事だと鼻で笑われていた茉莉にあかりは言った。「綺麗事じゃなくて、綺麗なことだよ。綺麗なことを諦めないって、一番強い」と。

そして流星のもとには「お心のままに」と書かれた手紙が。茉莉は、“告発の手紙”の字の癖が、鷹臣の腹心である雫石のものだと気づき、突如、あかり陣営にさよならを告げ、雫石に会いに行く。実は、新座の脅しを断ったのは、雫石だった。雫石はそれを鷹臣にはあえて告げなかった。“告発の手紙”は雫石からのSOSだった。

選挙戦最終日:あかりの感動的な演説

ついに迎えた選挙戦最終日。最後の演説に立つあかりは、宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』の一節、「このぼんやりとした白い銀河を大きな良い望遠鏡で見ますと、もうたくさんの小さな星に見えるのです」という言葉から演説を始める。あかりは、言う。自分が一つの星だってことを忘れていた、と。強い光を持つ一つの星が、ぼんやりとした銀河にまとめられ、雑に扱われることを受け入れなきゃと。「でも、違う。違いますよね」

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銀河=東京を輝かせるためには、一つひとつの星がより輝くことだと。そして安心して本当の幸いを見つけることができる。「そんな世界を一緒に作りませんか?」「あなたを1人にしません。遠慮なく光って困っていることを教えてください。見つけます、絶対」「たった1人のあなたが放つ、たった1つの尊い光──“銀河の一票”」

流星の真実の告白と選挙結果

一方で流星は、自らが解決したというビルマで起きた人質事件で、実は鷹臣がポスト欲しさにすべてを裏で操っていたことを民衆の前で明かす。人質事件を利用して流星が今の位置を得たことも。だがそれも鷹臣は日本のことを考えてのことでもあった。そして言う。「銀河が…、一つひとつの星が、輝き続けられる道を! 世界と、あなたと、私の幸福のために!」

そして選挙戦が終わる。都知事には、流星。だがその横には、茉莉とあかりも並んでいた──。