文化審議会は17日、長唄鳴物の藤舎秀蓬(とうしゃしゅうほう)さん(79)(本名・吉田善男、東京都新宿区)、鍛金(たんきん)の三好正豊(本名・三好光正)さん(75)(大阪府吹田市)ら4人を重要無形文化財の保持者(人間国宝)に認定するよう、文部科学相に答申した。
藤舎秀蓬さん、笛方として高い評価
藤舎さんは、藤舎流笛の初世・藤舎秀蓬の次男で、大学卒業後、長唄の演奏会や歌舞伎、日本舞踊の公演で笛方として参加。合奏に溶け込む柔軟性と、曲調を豊かに表現する演奏技法が高く評価されている。兄の藤舎名生さんが亡くなり、5月に二世・藤舎秀蓬を襲名した。
三好正豊さん、伝統的鍛金技法を高度に体得
三好さんは、地金を金鎚(かなづち)で打ち延ばすなどして器物を成形する伝統的な鍛金技法を高度に体得。左右対称の端正な鉢や水指などの制作を得意とする。自身で地金を鋳造し、象嵌(ぞうがん)の装飾も手がけるなど全行程をこなす。堅牢(けんろう)さと軽量さを備える造形や、その魅力を際立たせる装飾が高く評価されている。
清元美寿太夫さんと藤田正堂さんも認定
ほかに答申されたのは、芸能では清元節浄瑠璃の清元美寿太夫(よしじゅだゆう)(本名・小柳吉弘)さん(83)(東京都中央区)。工芸技術では、蒟醤(きんま)の藤田正堂さん(67)(青森県弘前市)。人間国宝は芸能55人、工芸技術54人の計109人となる。
保存団体の構成員133人を追加認定
同審議会は、重要無形文化財に指定されている「人形浄瑠璃文楽」「能楽」「歌舞伎」「組踊」「一中節」「清元節」「長唄」「日本舞踊」の保存団体の構成員として計133人を追加認定することも求めた。
選定保存技術の保持者・団体も答申
また、文化財の保存に不可欠な選定保存技術とその保持者・団体として「組紐(クテ打)製作」と西岡千鶴さん(72)(横浜市)、「表装裂紋意匠設計」と小笹祐嗣さん(63)(京都市)、「三味線駒製作」と大河内正信さん(77)(千葉県市川市)、「能扇製作」と「能扇製作技術保存会」(福井芳宏会長)をそれぞれ選定・認定するよう答申した。
選定保存技術に選定されている「美術工芸品保存桐箱製作」の飯島勤さん(67)(埼玉県春日部市)、兵働知也さん(52)(京都市)を追加認定することも求めた。
住吉の長屋など163件の建造物を新規登録
このほか、安藤忠雄さん設計の住宅「住吉の長屋(東邸)」(大阪市)など建造物の登録有形文化財で、163件の新規登録も答申された。



