一般社団法人全国手をつなぐ育成会連合会は20日、漫画『みいちゃんと山田さん』(みい山)のアニメ化に関する意見書を公開した。アニメ化そのものに反対するのではなく、知的障害者をエンターテインメント化することへの懸念と、詳細な説明を求める内容となっている。この異例の意見書に対し、ネット上ではさまざまな声が上がっている。
意見書の内容と経緯
意見書では、同連合会が「障害の状態にかかわらず、ライフステージに応じた適切な支援と権利擁護のもとで安心して暮らすことができる地域の実現」を目指していると説明。その上で、「今般、漫画作品『みいちゃんと山田さん』がアニメ化されるとの報道があり、本会としても慎重に事実関係を確認してまいりました」と経緯を述べている。
作品中の主人公「みいちゃん」については、知的障害の判定を受けていないものの、軽度知的障害もしくは境界知能であることが強く示唆されていると指摘。作者の亜月ねね氏が、軽度の知的障害があり障害者手帳を所持していた女性をモデルとしたと発言していることも踏まえ、意見を表明した。
制作者の言動への懸念
意見書では、作者と出版社の言動について懸念を表明。作者が吃音のある人を「うまく注文できないことを店員から馬鹿にされる」形で取り上げた作品や、認知機能低下を「みいちゃん化」と表現したこと、過去のペンネームで特殊学級をネガティブに捉えた作品があったことを挙げた。
また、出版社である講談社の編集部員が過去の動画で「人の不幸話はめちゃくちゃ楽しい」「誰かが可哀想な目に遭うところを見たい」などと発言していたことを確認。こうした言動は、知的障害が想起される「みいちゃん」の人格と個性を尊重しているとは言い難く、「面白おかしく」扱った上でエンターテインメント化していることが懸念されるとした。
「みいちゃん」が蔑称として使われる実例
同連合会の調査では、現実社会で「みいちゃん」が知的障害や発達特性のある女性を揶揄・侮辱する言葉として使われている事例が複数報告されている。制作側が意図的に拡散させている事実は確認されていないが、懸念すべき事項であり、レーティングにも関係するとしている。
製作委員会のコメントについては、アニメ化の「意義」についての説明が必要と指摘。専門家の助言を得る方針についても、専門家の立場や助言内容の説明を求めた。また、適切なレーティングを希望し、未成年者が気軽に視聴できる環境を望まないとしている。
ネット上の反響
意見書の公開を受け、ネット上では「丁寧に練られた意見書だと思います」「表現の自由を認めたうえで『せめてレーディングは考えろ』で締めてるのはちゃんとした抗議文」といった肯定的な声や、「やるとしても、しっかりシナリオ調整してほしい」などの意見が寄せられている。
同作は講談社のマガジンポケットで2024年9月から2026年8月まで連載。2012年の新宿・歌舞伎町を舞台に、キャバクラ嬢として働く山田さんと新人のみいちゃんの物語で、SNSを中心に人気を集め、累計発行部数は300万部を突破している。2027年のアニメ化が発表され、コミックス最終7巻は9月9日に発売予定。



