絵本「こんとあき」林明子さん死去、鳥取砂丘が舞台 地元いとこら悼む
絵本「こんとあき」林明子さん死去、鳥取砂丘舞台

絵本「はじめてのおつかい」や「こんとあき」などで親しまれた絵本作家の林明子(はやし・あきこ、本名・征矢明子=そや・あきこ)さんが1日、肺炎のため亡くなった。81歳だった。林さんの祖母は生前鳥取市に住み、両親も同市出身。代表作の一つ「こんとあき」は鳥取砂丘を舞台としており、鳥取県内の関係者から哀悼の声が相次いでいる。

いとこが語る人柄

鳥取市に住む林さんのいとこで会社役員の伊吹和芳さん(72)は「優しく、温かい人だった」と寂しさを募らせる。幼い頃、林さんは夏休みなどに祖母の家に遊びに来ており、伊吹さんは「話もよく聞いてくれて、しゃべりもおっとりして穏やかなお姉さんだった」と振り返る。

伊吹さんは高校生の時に、東京都内の林さんのアトリエを訪れたことがある。当時、林さんはイラストレーター真鍋博さん(1932~2000年)の下でアシスタントを経て、絵本作家として独立したばかりだった。10畳ほどの古びたアパートの一室で、机に向かって黙々と絵を描く姿に「じっと黙って集中していて、今まで知っているあっこちゃんとは違う姿だった。時々出版社の人が訪れて対応して。この人はプロだな、すごいなあと思った」と語る。

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また、真鍋さんのアトリエで一緒だった絵本作家の五味太郎さんの話をし、「彼は結構活躍しているから、私も頑張らないと」と自らを鼓舞していたという。

鳥取への思い

林さんは出版した絵本にサインを書いて常に送ってくれ、優しくかわいらしい絵は林さん自身を体現するようだった。「こんとあき」に関するインタビューで鳥取のことを話すこともあり、伊吹さんは「誇らしかったね。鳥取には住んでいなかったけれど、忘れずに好きでいてくれたのは、本当にうれしかった」と述べた。

最後に会ったのは2019年、親族の葬式の時だった。「元気にしてた?」「元気だよ」というたわいもない世間話で終わった。伊吹さんは「あれが最後だったのか」と悲しみをこみ上げさせつつ、「とても多くの人に知られる作品を作ったことは素晴らしいこと。これからもたくさんの人に愛されるんだろう」と語った。

わらべ館の壁画

鳥取市西町のわらべ館2階「いべんとほーる」には、鳥取砂丘で手をつないだこんとあきの壁画がある。縦2.2メートル、横3.3メートルの有田焼レリーフで、1995年の開館に合わせて制作された。同館によると、この壁画を見ると子どもたちが「こんとあきだー」と笑顔になることが多いという。

同館企画員の森田快さん(30)は、幼い頃に母親から絵本の読み聞かせを受けていたといい、「林さんの絵は、優しいタッチで表情が豊かなところが魅力」と語る。森田さんは「とても悲しいが、作品は生き続け、これからもここに『こんとあき』はいる。ぜひ多くの方に会いに来てほしい」と話した。

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