文化庁は、マンガ作品に用いられるセリフなどの言葉をデータベース化する「マンガコーパス」の整備に着手する。「あ゙」や「んちゃ」など様々な言語表現を収集し、日本語の変化などを研究する基礎データにする。マンガを対象にコーパスを構築するのは国では初の試み。来年度から4年間で、過去50年分のデータ化を目指す。
国立国語研究所が開発、対象は売り上げ上位20作品
文化庁の委託事業として、国立国語研究所が、公募で採択された事業者とともに開発する。1976~2025年に発刊されたマンガのうち、各年の売り上げ上位20作品を対象にする。初年度は16~25年分をデータ化する。
マンガが生んだ言葉の数々
マンガは、新語や流行語を生み出したり、社会に広めたりする一面もあり、日本語の変化を記録する重要な言語資源になっている。感情などを表現する「え゙」、一切の意識を一つのことに傾ける「全集中」(鬼滅の刃)、予想を超える意外な展開を形容する「斜め上」(レベルE)、日常のあいさつ「んちゃ」(Dr.スランプ)、ゴルフでスイングのリズムを取る際のかけ声「チャー・シュー・メーン!」(あした天気になあれ)などが、その例とされている。
従来のコーパスでは捉えにくい表現も収録
国語研は、書籍やインターネットから集めた書き言葉や、日常会話などの話し言葉を対象にしたコーパスをウェブサイトで公開している。マンガコーパスを整備することで、従来のコーパス群では捉えにくかった、マンガから広まった言語表現が新たに加わることになる。文化庁国語課は「マンガによって日本語がどう変わってきたか、また将来どう変わっていくかを研究する基礎データになる」と、マンガコーパスの意義を説明している。
◆コーパス=日常的に使われている書き言葉や話し言葉を体系的に収集し、コンピューターで検索や分析できるように整理したデータベース。単語がどのような頻度や文脈で使われているかを客観的に確認できるため、言語研究や辞書編集、音声認識、生成AIの言語モデル構築などに活用されるデジタル基盤として重視されている。



