野菜高騰で家庭菜園需要急増、種苗会社の売り上げ過去最高
野菜高騰で家庭菜園需要急増、種苗会社売上最高

記録的な野菜の高騰が続く中、家庭菜園への需要が急増している。大手種苗会社「タキイ種苗」の2026年4-6月期の売上高は前年同期比35%増の約120億円となり、四半期ベースで過去最高を更新した。同社広報担当者は「これまでにない反響で、特にトマトやキュウリ、ナスといった夏野菜の種がよく売れている」と説明する。

野菜価格の高騰が背景に

背景にあるのは、天候不順や燃料費高騰による野菜価格の上昇だ。総務省の消費者物価指数によると、2026年6月の野菜類は前年同月比で平均18.5%上昇。特にレタスは約40%、トマトは約25%値上がりしている。こうした状況を受け、自宅で野菜を育てる「自家栽培」に関心が集まっている。

タキイ種苗では、初心者向けの「かんたん栽培キット」の売り上げが前年の約2倍に拡大。プランターや土、種がセットになった商品が人気で、30~40代の女性を中心に購入が増えている。また、オンライン販売も好調で、全体の売上に占めるEC比率は前年の15%から25%に上昇した。

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種苗業界全体に波及効果

この動きは他社にも波及している。サカタのタネでは、2026年4-6月期の家庭菜園向け種子の売上が前年比28%増。同社マーケティング部長は「食費節約と安心安全への関心が追い風になっている」と分析する。また、ホームセンターでも野菜苗の売れ行きが好調で、全国の主要店舗では例年の1.5倍以上の販売数を記録している。

専門家は、このブームが一時的なものではないと指摘する。農業経済学者の山田太郎教授(東京大学)は「物価高が長期化する可能性が高く、家庭菜園は今後も定着するだろう。特に都市部のマンション住まいでもベランダでできる栽培キットの需要はさらに伸びる」と予測する。

自治体も支援策を強化

こうした動きを受け、自治体も支援に乗り出している。東京都世田谷区では、区民向けに家庭菜園の講習会を月2回開催し、参加費を無料に。また、さいたま市では、市民農園の貸し出し件数を前年度比20%増の150区画に拡大した。

一方、注意点もある。日本園芸協会は「初心者は水のやり過ぎや日照不足で失敗しやすい。最初は育てやすいハーブやミニトマトから始めることを勧める」とアドバイス。また、マンションのベランダで栽培する場合は、落下防止や排水に注意するよう呼びかけている。

野菜高騰が続く中、家庭菜園は食費節約だけでなく、食育やストレス解消にもつながると期待されている。タキイ種苗の担当者は「種から育てる楽しさを知ってもらい、長く続けてほしい」と話している。

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